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「NATOのアキレス腱」抱えるリトアニアの危機感 ウクライナの加盟を巡るアメリカのジレンマとは?【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG

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Published on 07/16/23 / In News & Politics

ロシアからの脅威を受けフィンランドやスウェーデンが新たに加わるなど、拡大を続けるNATO。一方で、加盟を熱望するウクライナについては、今回のNATO首脳会議でも道筋は示されませんでした。NATOの中にも温度差があります。ウクライナの加盟を支持するのは、「バルト三国」。リトアニアのように「NATOのアキレス腱」と呼ばれる地域を抱える特殊な事情とは?一方で、慎重な立場をとるのがアメリカ。そのジレンマとは?手作り解説でお伝えします。


■ウクライナのNATO加盟を支持する「バルト三国」

ウクライナが求めるNATOへの加盟。それを支持しているのは、エストニア、ラトビア、リトアニアの「バルト三国」です。いずれも第二次大戦中に、旧ソ連に併合され、主権を奪われていました。1989年に独立した後、ロシアの脅威に備え、2004年にNATOに加盟しています。

■“NATOのアキレス腱”

このバルト三国が他のNATO諸国と陸地でつながっているのが、「スバウキ回廊」と呼ばれる、この狭いリトアニアとポーランドの国境地帯。距離にして100キロほどしかなく、「NATOのアキレス腱」と言われています。東には、ロシアと協調路線を歩むベラルーシがあり、西にはロシア領の飛び地、カリーニングラード州があります。カリーニングラード州はバルト海に面したロシア領で唯一の凍らない港があり、弾道ミサイルも配備されたロシアの重要な軍事拠点です。
もし「スバウキ回廊」がロシアとベラルーシに制圧されると、NATOからバルト三国へ陸路でアクセスすることができなくなります。実際、ロシアとベラルーシは「スバウキ回廊」の制圧を想定した共同軍事演習も行っています。こうしたこともあり、バルト三国など、ロシアに近い国々は、「ウクライナの次は自分たちかも知れない」という強い危機感があり、ウクライナのNATO加盟が自国の安全につながると考えているのです。

■スウェーデンがNATO加盟へ

今回、ウクライナの加盟は認められませんでしたが、北欧のスウェーデンの加盟は、7月10日に事実上決まりました。スウェーデンは、自国製の戦闘機や潜水艦を所有するなど、北欧きっての軍事大国としても知られています。隣国のフィンランドも、4月に加盟が認められました。スウェーデンもフィンランドも、これまでは、NATOに加盟せず中立の立場を取ってきましたが、ロシアのウクライナ侵攻を機に歴史的な方針転換をした形です。これによって、バルト海沿岸のほぼ全域がNATOの勢力圏となります。

■アメリカのジレンマ

拡大を続けるNATOですが、ウクライナの加盟は一筋縄ではいきません。特に、アメリカは慎重な立場。もし、ロシアとの戦争状態のままウクライナが加盟すると、NATOとロシアの全面対決、核保有国同士の交戦に発展する恐れがあります。安全保障に詳しい明海大学の小谷哲男教授は「アメリカとしては、ウクライナを支援しつつ、ロシアが核兵器を使わないようバランスをとるのが難しい。停戦が実現すれば、将来的にはウクライナのNATO加盟がロシアへの抑止力強化になる」と指摘しています。
NATO諸国がジレンマを抱えるウクライナ支援。停戦に向けた道筋を描くことはできるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2023年7月16日放送より)


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