[サブカル] 名探偵コナン最新作で八丈島に脚光…島在住のファンが「聖地」として情報発信

 東京・八丈島を舞台にしたアニメ映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の作中に登場する場所が、コナンファンの間で話題になっている。東京都八丈町が新たな観光資源として活用方法を模索する中、八丈島在住のコナンファンが「聖地」として紹介するサイトを開設し、島外の人たちに向けた情報発信に一役買っている。(大前勇)「映画と同じだ」作中に登場する「南原千畳岩海岸」  人気漫画「名探偵コナン」シリーズの劇場版として公開中の黒鉄の魚影は、主人公・江戸川コナンと友人らがホエールウォッチングのために八丈島を訪れたところ、黒ずくめの組織と激突するという設定。八丈富士や八重根漁港といった島内の風景のほか、島 寿司(ずし) のような郷土料理も作中に登場する。4月に公開が始まった映画の興行収入は、劇場版シリーズとして歴代1位となる137億円(9月18日現在)を超えた。  作中に出てくるホテルのモデルとなった「リードパークリゾート八丈島」の支配人の歌川真哉さん(52)によると、映画公開後、コナンファンの利用客が増えたという。 川崎市高津区の大学生(20)もその中の1人。8月下旬、映画の舞台を巡るため家族旅行で八丈島を訪れ、モデルとなったホテルに宿泊した。客室の窓から見える海の景色は「映画と同じだ」と感動。作中でコナンが電話をかけたホテル内の同じ場所から友人に電話をかけたという。大学生は「実際に八丈島を訪れることで、映画の中の世界に自分がいるように感じた」と振り返った。 島民が映画の内容を知った上でファンをおもてなしできるようにしようと、町は、8月に計5回の上映会を開催。映画制作を指揮した立川譲監督が駆けつける回もあり、八丈島を舞台に選んだ理由やこだわりのシーンなどを解説した。 町産業観光課の大川和彦課長は「日本だけでなく世界中にファンがいる作品。観光資源として生かせるように今後議論していく」と話す。島民が発信作中に登場する「海辺のベンチ」で映画の魅力を語る竹花さん(八丈町三根で) 映画を通じて八丈島を知ってもらおうとする島のコナンファンもいる。 都立八丈高校で臨時職員を務める竹花紀俊さん(34)は、映画に登場する島内の場所を案内するサイト「『黒鉄の魚影』聖地巡礼八丈島完全マニュアル」を4月17日に開設。映画の公開に合わせて池袋を訪れ、初日の4月14日や翌日に計3回鑑賞し、島のどこが

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[サブカル] 名探偵コナン最新作で八丈島に脚光…島在住のファンが「聖地」として情報発信

 東京・八丈島を舞台にしたアニメ映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の作中に登場する場所が、コナンファンの間で話題になっている。東京都八丈町が新たな観光資源として活用方法を模索する中、八丈島在住のコナンファンが「聖地」として紹介するサイトを開設し、島外の人たちに向けた情報発信に一役買っている。(大前勇)

「映画と同じだ」

作中に登場する「南原千畳岩海岸」
作中に登場する「南原千畳岩海岸」

 人気漫画「名探偵コナン」シリーズの劇場版として公開中の黒鉄の魚影は、主人公・江戸川コナンと友人らがホエールウォッチングのために八丈島を訪れたところ、黒ずくめの組織と激突するという設定。八丈富士や八重根漁港といった島内の風景のほか、島 寿司ずし のような郷土料理も作中に登場する。4月に公開が始まった映画の興行収入は、劇場版シリーズとして歴代1位となる137億円(9月18日現在)を超えた。

 作中に出てくるホテルのモデルとなった「リードパークリゾート八丈島」の支配人の歌川真哉さん(52)によると、映画公開後、コナンファンの利用客が増えたという。

 川崎市高津区の大学生(20)もその中の1人。8月下旬、映画の舞台を巡るため家族旅行で八丈島を訪れ、モデルとなったホテルに宿泊した。客室の窓から見える海の景色は「映画と同じだ」と感動。作中でコナンが電話をかけたホテル内の同じ場所から友人に電話をかけたという。大学生は「実際に八丈島を訪れることで、映画の中の世界に自分がいるように感じた」と振り返った。

 島民が映画の内容を知った上でファンをおもてなしできるようにしようと、町は、8月に計5回の上映会を開催。映画制作を指揮した立川譲監督が駆けつける回もあり、八丈島を舞台に選んだ理由やこだわりのシーンなどを解説した。

 町産業観光課の大川和彦課長は「日本だけでなく世界中にファンがいる作品。観光資源として生かせるように今後議論していく」と話す。

島民が発信

作中に登場する「海辺のベンチ」で映画の魅力を語る竹花さん(八丈町三根で)
作中に登場する「海辺のベンチ」で映画の魅力を語る竹花さん(八丈町三根で)

 映画を通じて八丈島を知ってもらおうとする島のコナンファンもいる。

 都立八丈高校で臨時職員を務める竹花紀俊さん(34)は、映画に登場する島内の場所を案内するサイト「『黒鉄の魚影』聖地巡礼八丈島完全マニュアル」を4月17日に開設。映画の公開に合わせて池袋を訪れ、初日の4月14日や翌日に計3回鑑賞し、島のどこが作中に登場するかを確認した。

 竹花さんは過去の劇場版シリーズのモデルになった名古屋市や神津島村などを巡った経験があり、「今度は自分がほかのファンのために情報を発信しよう」との思いでサイトを始めたという。

 島内8か所を写真を交えて説明しているほか、外国人向けに英語バージョンも設けた。サイトを紹介する投稿をしたX(旧ツイッター)の表示回数は、約50万回に。サイトに場所を載せた「海辺のベンチ」は、これまで島内ではあまり人気スポットではなかったが、映画の重要なシーンに出たこともあり、夏休みシーズンは多くのファンでにぎわったという。

 竹花さんは「コナングッズを持った人の姿を島内でよく見るようになった。コナンを通じて八丈島の魅力をもっと伝えたい」と語る。

 コナンたちも体験しようとしたホエールウォッチングは、クジラが近海を周遊する時期の関係で観光客が少なくなる冬場に実施される。歌川さんは「コナン効果が長く続いて、同じ体験をしたいとオフシーズンの冬にも多くの観光客が来てくれるようになったら」と期待する。

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