売却の自衛隊車両、防衛省が解体立ち会い 海外流出防止

防衛省職員が車両の解体現場に立ち会う規定を追加する防衛省は19日、鉄くずにする前提で売った自衛隊車両が壊されずに海外に流出した可能性が出ていることへの対応を公表した。破砕したか確かめる方法を定めた防衛省の要領を改め、処分先の業者の解体現場に防衛省職員が立ち会う規定を追加する。いまの仕組みは業者が車両を壊したことを示す画像を添付した解体証明書を防衛省に出すことまで求めている。写真に映った鉄くずだけで実際に自衛隊車両を破砕したか見極めるのは難しいと判断した。防衛省は2024年度予算の概算要求に海外への転売の事実関係を把握するための人件費などで3億円ほど盛り込んだ。防衛省は全国およそ50の部隊が過去5年に売り払った契約について、4月から下請けを含め40社ほどに聞き取り調査をしている。調べる部隊や業者の追加や期間の延長も検討する。防衛省は自衛隊が使い終えた輸送用の車両について、悪用を防ぐため売り払った業者と契約を結んで車両の破壊を求める。車両そのものに殺傷能力がなくても海外に流出し戦闘に使われるといった事態を防ぐ意図がある。それにも関わらず自衛隊が用いていたとみられる車両が東南アジアで使われたとの情報が寄せられた。木原稔防衛相木原稔防衛相は19日の記者会見で一連の対応策を発表し「防衛省として大変重く受け止め、速やかに進める」と述べた。「解体しないことは重大な契約違反だ。不正な行為を確認したら契約や関係法令に基づき厳正に対処する」と話した。