[夏の甲子園] 「鬼」から「仏」になった理由、大垣日大・阪口監督「叱るより褒めることが大事だと自分を変えた」…退任会見

 高校野球で甲子園に春夏通算35回出場し、優勝1回、準優勝3回を成し遂げた大垣日大(岐阜県大垣市)の阪口慶三監督(79)が2日、同校で記者会見を開き、健康上の理由から今年末で監督を退任することを発表した。「甲子園は私の人生だった」と振り返った。 大垣日大 延長で涙 夏の甲子園1回戦に勝利し、ベンチ前に整列する大垣日大の阪口慶三監督(中央)(8月8日撮影) 阪口監督は母校・東邦(名古屋市)の監督を1967年から務め、89年春の甲子園で優勝。2005年から指揮を執った大垣日大でも甲子園に11回出場し、準優勝1回の強豪に育て上げた。今夏に両校で通算40勝を果たした。  阪口監督は退任理由について、今年に入って疲れが残り、グラウンドでベンチに座るようになったことを挙げ、「(選手と)同じ疲れを味わうのが指導者のマナーだと思っていた」と明かした。持ち味の大きな声も出せず、孫の高橋慎選手(3年)が卒業することも考慮し、今年1、2月頃に決断したという。退任の思いを語る阪口監督。左は古田健二校長(2日、大垣市で) 東邦時代は厳しい指導で「鬼の阪口」として知られたが、大垣日大では「仏の阪口」になった。「叱るより褒めることが大事だと自分を変えた」と語った。 57年の監督生活は「勝っても負けても勉強、反省で少しも長く感じない。無我夢中の毎日だった」と話した。後任に高橋正明副部長を挙げ、「人格的にも野球の技術においても誰にも引けをとらない」と期待を寄せた。 来年3月で同校の副校長も退く。今後については「阪口慶三から野球を取ったら何も残らない」と笑いつつ、「熱い気持ち、熱いものを何かにぶつけてみたい」と話し、野球に関わることにも含みを持たせた。 県高校野球連盟の鍵谷英一郎専務理事は「『大垣日大を絶対に止める』という思いが岐阜県の野球を強くし、全国で戦えるレベルになった。ありがとうございました」と述べた。

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[夏の甲子園] 「鬼」から「仏」になった理由、大垣日大・阪口監督「叱るより褒めることが大事だと自分を変えた」…退任会見

 高校野球で甲子園に春夏通算35回出場し、優勝1回、準優勝3回を成し遂げた大垣日大(岐阜県大垣市)の阪口慶三監督(79)が2日、同校で記者会見を開き、健康上の理由から今年末で監督を退任することを発表した。「甲子園は私の人生だった」と振り返った。

大垣日大 延長で涙
夏の甲子園1回戦に勝利し、ベンチ前に整列する大垣日大の阪口慶三監督(中央)(8月8日撮影)
夏の甲子園1回戦に勝利し、ベンチ前に整列する大垣日大の阪口慶三監督(中央)(8月8日撮影)

 阪口監督は母校・東邦(名古屋市)の監督を1967年から務め、89年春の甲子園で優勝。2005年から指揮を執った大垣日大でも甲子園に11回出場し、準優勝1回の強豪に育て上げた。今夏に両校で通算40勝を果たした。

 阪口監督は退任理由について、今年に入って疲れが残り、グラウンドでベンチに座るようになったことを挙げ、「(選手と)同じ疲れを味わうのが指導者のマナーだと思っていた」と明かした。持ち味の大きな声も出せず、孫の高橋慎選手(3年)が卒業することも考慮し、今年1、2月頃に決断したという。

退任の思いを語る阪口監督。左は古田健二校長(2日、大垣市で)
退任の思いを語る阪口監督。左は古田健二校長(2日、大垣市で)

 東邦時代は厳しい指導で「鬼の阪口」として知られたが、大垣日大では「仏の阪口」になった。「叱るより褒めることが大事だと自分を変えた」と語った。

 57年の監督生活は「勝っても負けても勉強、反省で少しも長く感じない。無我夢中の毎日だった」と話した。後任に高橋正明副部長を挙げ、「人格的にも野球の技術においても誰にも引けをとらない」と期待を寄せた。

 来年3月で同校の副校長も退く。今後については「阪口慶三から野球を取ったら何も残らない」と笑いつつ、「熱い気持ち、熱いものを何かにぶつけてみたい」と話し、野球に関わることにも含みを持たせた。

 県高校野球連盟の鍵谷英一郎専務理事は「『大垣日大を絶対に止める』という思いが岐阜県の野球を強くし、全国で戦えるレベルになった。ありがとうございました」と述べた。

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