[政治] 立民、２２日の衆参２補欠選挙で敗北なら「泉離れ」加速か…「候補者立てるのも大変」と本音も

　２２日に投開票される衆参２補欠選挙を巡り、立憲民主党の泉代表が正念場の戦いを迫られている。泉氏の代表就任後、立民は全ての国政選挙で敗北しており、「衆院選の前哨戦」とも位置づけられる２補選でも敗れれば、党内で「泉離れ」が加速するのは必至だ。農業者と意見交換する立憲民主党の泉代表（２日、徳島県美馬市で）　泉氏は２日、徳島県美馬市を視察に訪れ、中山間地域の農業者らと意見を交わした。視察後、記者団に対し、「自民党政権で忘れられた中山間地域の声を大事にしたい。『自民党政治ではダメだ』という声を結集していく」と強調した。 　２補選は、いずれも事実上の与野党一騎打ちとなる見通しだ。５日に告示される参院徳島・高知選挙区補選では、立民は野党系無所属の前立民衆院議員を支援。衆院長崎４区補選は、２０２１年衆院選で比例復活した現職を擁立し、告示日の１０日には泉氏が第一声に駆け付ける。　泉氏は、立民が惨敗した２１年衆院選の後、党勢立て直しを期待され、同年１１月に代表に就いた。だが、その後の選挙での戦績は芳しくなく、２２年参院選で改選議席を大幅に減らしたほか、今年４月には衆参５補選のうち３補選に候補を擁立し、全敗した。今回の補選でも２敗する事態となれば、党内で「次期衆院選は泉氏では戦えない」との声が広がり、求心力の一層の低下は避けられない。　次期衆院選を巡っては、泉氏は２００人の擁立目標を掲げ、「１５０議席を獲得できなければ辞任する」との考えを示しているが、１０月２日時点の擁立は１５８人にとどまる。泉氏は９月２９日の記者会見で、「支持率で与党と野党の差が大きい中で、候補者を立てるのも大変だ」と漏らし、２補選の勝敗ラインも明言しなかった。党内では、「党勢が低迷する中、泉氏の本音が出た」（党幹部）との見方が出ている。