東レ、炭素繊維2割増産 米国と韓国で700億円投資

東レが米国で炭素繊維複合材料を手掛ける拠点(サウスカロライナ州)東レは13日、炭素繊維の生産能力を2割引き上げると発表した。米国と韓国の拠点で2025年から年産3万5千トンに増強する。投資額は700億円とみられる。燃料電池車に使う水素タンク用などが伸びている。航空機向け需要にも備える。航空機や圧力容器などに使う炭素繊維「レギュラートウ」を増産する。軽くて強い炭素繊維複合材料(CFRP)の原料となる炭素繊維は、耐久性のあるレギュラートウと、性能を抑えた汎用の「ラージトウ」に大別され、東レはいずれも世界シェア首位だ。米国子会社の東レ・コンポジット・マテリアルズ・アメリカ(ワシントン州)と、韓国の東レ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(ソウル)が持つ現地工場で新設備を導入する。25年から生産を始める計画で、22年比で年産能力が計6000トン増える。エネルギー輸送や貯蔵に欠かせない圧力容器向けで需要が高まっている。天然ガスを圧縮し、容器に貯蔵する圧縮天然ガス(CNG)向けや、物流車両向けの水素タンクなどで採用が進む見通しだ。航空機向け需要が増えることも見据え、安定供給の体制を整える。樹脂を炭素繊維で強化したCFRPは、航空機では胴体や主翼などに使う。強度を保ちつつ軽量化できるため燃費向上につながる。温暖化ガス実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル」を追い風に引き合いが強まっており、東レでは30年までに市場が年率17%で成長するとみている。

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東レ、炭素繊維2割増産 米国と韓国で700億円投資

東レは13日、炭素繊維の生産能力を2割引き上げると発表した。米国と韓国の拠点で2025年から年産3万5千トンに増強する。投資額は700億円とみられる。燃料電池車に使う水素タンク用などが伸びている。航空機向け需要にも備える。

航空機や圧力容器などに使う炭素繊維「レギュラートウ」を増産する。軽くて強い炭素繊維複合材料(CFRP)の原料となる炭素繊維は、耐久性のあるレギュラートウと、性能を抑えた汎用の「ラージトウ」に大別され、東レはいずれも世界シェア首位だ。

米国子会社の東レ・コンポジット・マテリアルズ・アメリカ(ワシントン州)と、韓国の東レ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(ソウル)が持つ現地工場で新設備を導入する。25年から生産を始める計画で、22年比で年産能力が計6000トン増える。

エネルギー輸送や貯蔵に欠かせない圧力容器向けで需要が高まっている。天然ガスを圧縮し、容器に貯蔵する圧縮天然ガス(CNG)向けや、物流車両向けの水素タンクなどで採用が進む見通しだ。航空機向け需要が増えることも見据え、安定供給の体制を整える。

樹脂を炭素繊維で強化したCFRPは、航空機では胴体や主翼などに使う。強度を保ちつつ軽量化できるため燃費向上につながる。温暖化ガス実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル」を追い風に引き合いが強まっており、東レでは30年までに市場が年率17%で成長するとみている。

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