東海道新幹線、大雨混雑防げ ダイヤや情報伝達改善へ

大雨の影響で東海道新幹線が運転を見合わせ、利用客で混雑するJR名古屋駅（6月2日）=共同東海道新幹線の大雨時の運行について、JR東海は線路の土台となる盛り土への浸水影響を考慮し、独自の雨量観測を基に運転見合わせや徐行といった規制を決めている。6月上旬の記録的大雨では運転を取りやめ、安全を確保する対応を取った。一方で乗客への影響は大きく、長時間見合わせた後のダイヤの組み方や情報伝達に課題が残った。改善策を検討している。東海地方で線状降水帯が形成され、大雨となった6月2日。愛知県蒲郡市内の線路沿いに設置した「三河三谷雨量計」の観測値が午後2時25分ごろ、1時間に40ミリ、24時間の累計で150ミリという規制値に達し、豊橋―三河安城間で運転を見合わせた。東海道新幹線の盛り土区間は全体の約半分を占める。大雨の際は盛り土が緩んだり、脇の斜面から線路に土砂が流れ込んだりするリスクが高まるため、雨量計を東京―新大阪間の59カ所に設置し、指令所でリアルタイムに観測データを監視している。1964年の開業以来積み上げてきた経験と分析を踏まえ、10分間、1時間、24時間といった雨量の観測値により、見合わせや徐行など運転規制の基準を細かく設定している。盛り土自体には表面をコンクリートで固めたり、排水のためのパイプを設置したりするなど対策を施してきた。東海道新幹線の沿線に設置されている雨量計=JR東海提供・共同2日は大雨が続いた。台風の接近が予想されて計画運休を実施するケースとは異なり、予測が難しい線状降水帯の降雨によって各地で相次ぎ規制値に達し、豊橋―三河安城間から見合わせ区間が拡大した。東京―名古屋間が終日不通になり、3日も同区間が始発から運休。静岡市清水区の観測が午前11時40分ごろ、規制値を下回ったことを受け、線路の安全を確認して正午ごろ全線再開となった。一連の見合わせで課題が浮かび上がった。全線再開時に、通常よりも多めに列車の運行を設定したが、想定を超える乗客が各駅に集中し大混雑。名古屋駅では駅員や応援のスタッフだけでは整理しきれず、警察に依頼する事態となった。改善に向けた取り組みが進む。JR東海は長時間にわたる運休の後にダイヤを設定する際、より多くの列車を走らせたり、名古屋始発を増やしたりできるかどうかを検討している。駅構内の混雑を避けるため、乗客の動線やホームページなどによる状