無人機やロボット…安保に新興企業技術 初の意見交換会

防衛、経済産業両省は6日、安全保障分野への先端技術の活用を探るため、防衛省でスタートアップとの意見交換会を初めて開いた。長距離を飛ぶ無人機や輸送を支えるロボットの開発などを手掛ける計4社が参加した。具体的な活用や企業の支援策に役立てるため、今後も同様の機会を継続する。防衛産業を巡っては採算性などの問題から企業の撤退が相次ぐ。安保分野の自国技術は抑止力の確保や経済力の維持に欠かせず、政府は新興企業の育成に力を注ぐ。政府内には安保分野への応用が見込める技術や設備を持った新興企業200社のリストがある。策定後に関係企業から問い合わせが相次いだため上限は設けず、随時追加する。今回の意見交換会を手始めに企業との会合を順次設定する。6日の参加企業はイノフィス（東京都八王子市）、テラ・ラボ（愛知県春日井市）、メトロウェザー（京都府宇治市）などだ。残りの1社は非公表だった。イノフィスは腰の動きを補助するウエアラブルロボットを開発・販売する。急勾配の斜面やぬかるんだ地面など悪条件下の移動を容易にし、迅速な作戦を可能にしうる。物資の運搬などに女性らが加わりやすくできる。テラ・ラボは衛星通信システムを用いて長距離を飛ぶ観測用の無人機を開発する。メトロウェザーはレーザー光を使って遠方の風向きや風速を実測・予測し、ドローンの飛行を支える技術を持つ。遠くの敵の位置や動きをリアルタイムで正確に把握する手段は部隊の効果的な運用に生かせる。遠くの空の状況や推移を精緻に捉えることは偵察や攻撃型ドローンの使用判断や精密な誘導に役立つ。