米銀ウェルズ・ファーゴ、4〜6月57%増益 利ざや拡大

オフィス向けローンなどで与信費用が拡大=ロイター【ニューヨーク=竹内弘文】米銀大手ウェルズ・ファーゴが14日発表した2023年4〜6月期決算は、純利益が前年同期比57%増の49億3800万ドル(約6800億円)だった。米国の利上げにより貸出金利と預金金利の差である利ざやが広がった。商業用不動産市況の低迷や景気減速を背景に与信費用は積み増した。1株利益は1.25ドルとなり、ファクトセット集計の市場予想1.16ドルを上回った。14日の米株式市場でウェルズ・ファーゴの株価は取引開始直後に前日比4%高となる場面があった。貸し出しから得る利息収入と預金者に払う利息の差「純金利収入」は29%増の131億6300万ドルだった。米連邦準備理事会(FRB)が22年春に始めた利上げに伴い、融資総額の平均利回りは5.99%と、前年同期から2.47%上昇した。預貸利ざやは0.70ポイント拡大して3.09%となった。ただ、四半期ごとの推移で見ると利ざや拡大は既にピークを越えた。1〜3月期に比べると0.11ポイント縮小した。預金者がMMF(マネー・マーケット・ファンド)など利回り商品に資金を移す動きに対抗して、預金金利を徐々に引き上げてきたためだ。それでも6月末時点の預金総額は1年前に比べて6%減、3月末時点対比では1%減となった。貸倒引当金と貸倒損失を合算した与信費用は17億1300万ドルと、前年同期の約3倍に膨らんだ。オフィスビル向けローンやクレジットカードローンの貸倒引当金の増加が主因だ。都市部のオフィスは在宅勤務の定着や主要テナントの退出などで事業環境が冷え込んでいる。チャールズ・シャーフ最高経営責任者(CEO)はオフィス向けローンについて「現時点で大きな損失は発生していない」と説明する一方で「多くのストレスシナリオを検討した結果、今回の引き当てに至った」とも語った。

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米銀ウェルズ・ファーゴ、4〜6月57%増益 利ざや拡大

【ニューヨーク=竹内弘文】米銀大手ウェルズ・ファーゴが14日発表した2023年4〜6月期決算は、純利益が前年同期比57%増の49億3800万ドル(約6800億円)だった。米国の利上げにより貸出金利と預金金利の差である利ざやが広がった。商業用不動産市況の低迷や景気減速を背景に与信費用は積み増した。

1株利益は1.25ドルとなり、ファクトセット集計の市場予想1.16ドルを上回った。14日の米株式市場でウェルズ・ファーゴの株価は取引開始直後に前日比4%高となる場面があった。

貸し出しから得る利息収入と預金者に払う利息の差「純金利収入」は29%増の131億6300万ドルだった。米連邦準備理事会(FRB)が22年春に始めた利上げに伴い、融資総額の平均利回りは5.99%と、前年同期から2.47%上昇した。預貸利ざやは0.70ポイント拡大して3.09%となった。

ただ、四半期ごとの推移で見ると利ざや拡大は既にピークを越えた。1〜3月期に比べると0.11ポイント縮小した。預金者がMMF(マネー・マーケット・ファンド)など利回り商品に資金を移す動きに対抗して、預金金利を徐々に引き上げてきたためだ。それでも6月末時点の預金総額は1年前に比べて6%減、3月末時点対比では1%減となった。

貸倒引当金と貸倒損失を合算した与信費用は17億1300万ドルと、前年同期の約3倍に膨らんだ。オフィスビル向けローンやクレジットカードローンの貸倒引当金の増加が主因だ。都市部のオフィスは在宅勤務の定着や主要テナントの退出などで事業環境が冷え込んでいる。

チャールズ・シャーフ最高経営責任者(CEO)はオフィス向けローンについて「現時点で大きな損失は発生していない」と説明する一方で「多くのストレスシナリオを検討した結果、今回の引き当てに至った」とも語った。

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