[経済] 青森―室蘭間の「青蘭航路」フェリー１５年ぶり復活…トラック運転手の不足に対応

　青森―室蘭間を結ぶ「青蘭航路」のフェリーの定期運航が２日、１５年ぶりに復活した。トラック運転手の人手不足が予測される物流の「２０２４年問題」への対応とともに、観光での利用にも期待がかかる。室蘭港を発着する航路は、川崎近海汽船（東京）が昨年１月末で室蘭―八戸間を休止しただけに、早期の航路復活に地元では喜びの声が上がった。青蘭航路就航を前に、室蘭港フェリーふ頭に停泊する「ブルーマーメイド」　函館―青森間などのフェリーを運航する津軽海峡フェリー（北海道函館市）が航路開設を決めた。第１便は同日午後８時、室蘭港を出港し、青森港には３日午前３時着の予定。 　９月３０日には、室蘭港フェリーふ頭に停泊している青蘭航路のフェリー「ブルーマーメイド」の船内で、航路開設記念式典が開かれた。北海道室蘭市や地元経済界を中心に約８０人が出席し、津軽海峡フェリーの村上玉樹社長は「事業者には地域経済を発展させる社会的使命がある。青蘭航路を就航させることで、物流や運送業界の２０２４年問題に対応可能になる」と述べた。新航路開設を祝ってテープカットをする関係者　港湾管理者の青山剛市長は「室蘭だけではなく、西胆振地域にとって青森が近くなった。主力の貨物だけではなく、観光でも利用を促したい」と期待を込めた。　ブルーマーメイドの船内見学会も同日行われ、市内外から約３０００人が訪れた。同船は全長１４４メートル、８８２０総トン。定員は５８３人で、トラックで７１台、乗用車で２３０台を積載できる。船内に救急室を設けるなど、災害時多目的船の機能も備えている。　見学者は、女性専用のレディースルームや、バス・トイレ付きのツインタイプのスイート、海を眺めながらくつろげるビューシートなどを見て回った。　運航ダイヤは、室蘭発が午後８時、青森着が翌日午前３時（航海時間７時間）。青森は午前９時発で、室蘭には午後３時４５分に到着する（同６時間４５分）。日曜の室蘭発、月曜の青森発を除き、１日１往復する。