[ニュース] 高校生の採用選考が解禁、求人倍率はバブル期超え過去最高３・５２倍…獲得競争過熱

　来春卒業予定の高校生を対象とした企業の採用選考が解禁され、１９日から多くの企業で面接が始まる。コロナ禍で採用を抑制していた業界を中心に求人数は回復傾向にあり、高校新卒者の求人倍率（７月末現在）は３・５２倍と、バブル期を超えて過去最高となった。幅広い業界で若手人材の獲得競争が過熱している。 「大学生活に満足」４年生は４割・１～３年生は８割…愛媛県の大学生、友人の数にも差 　国や経済団体などが定める就活日程では選考解禁日は１６日だが、連休を挟んでこの日から本格化した。 　高校生の就職支援会社「ジンジブ」（大阪市中央区）が今年４月、高卒を採用する２９７社に行った調査では、求人数を前年より増やすと回答した企業は３１・６％。採用理由（複数回答）は、▽若手人材の層を厚くするため（７０・４％）▽人材不足のため（５０・８％）――が多かったが、中には「社風改善・文化形成のため」（１９・９％）や「高卒人材のイメージが向上したため」（１７・８％）など、働き手としての資質を評価する声もあった。　同社広報担当の佐藤純子さん（３９）は「若手を確保するため、大卒採用のみだった企業が高卒採用を始める例も増えている」と話す。　厚生労働省の集計によると、７月末現在の高校新卒者の求人数は４４万４１８７人（前年同期比１０・７％増）で、製造業や宿泊業・飲食サービス業などで求人が増えた。高校生の就職希望者数は１２万６０６９人だった。　高校側も、企業による人材の獲得競争の活発化を実感している。東京都立芝商業高校では、３年生１５４人のうち６５人が就職を希望している。進路指導部の宮本仁一主幹教諭（６０）は「高卒社員は素直で吸収力があると、評価も良い。企業の採用意欲は昨年以上に高いように感じる」と話す。学校で面接練習を受けたビジネス科３年の女子生徒（１８）は「本番の面接では自然な会話を意識したい」と意気込んだ。