[プロ野球] 「アレ」へ阪神・岡田監督「ボール球振るな」…四球12球団トップの打線で一気に頂点

阪神4―3巨人 阪神は六回、大山の犠飛と佐藤輝の2ランで3点を先取し、七回に加点して突き放した。才木は7回1失点で自身3連勝。巨人は終盤の追い上げも及ばず、3連敗。◇ 大一番で、阪神が誇るドラフト1位の中軸3人が輝いた。6回1死1、3塁、大山が先制の犠飛を放つ(捕手・岸田)(14日)=大塚直樹撮影 六回。先頭の近本が右前打で出塁し、中野が倒れた後だ。3番の森下がこの日3安打目で続き、一死一、三塁。ここで全試合に4番で先発出場する大山が「初回の好機を(自身の併殺打で)潰していた。何とか1点を」と中犠飛で均衡を破ると、甲子園のボルテージは最高潮に達した。  5番佐藤輝は変化球を捉える。打球は中堅方向へ。「頼むから入ってくれ」。低い弾道は球団初の新人から3年連続20本塁打をクリアするバックスクリーンへの2ランとなった。 チーム打率は高くなく、本塁打は最下位の中日に次いで少ない。それでも、リーグトップの得点力を誇る。ある球団の投手コーチは「今季の阪神はまさに『打線』だった」と脱帽する。場内一周をする岡田監督(中央)ら阪神の選手たち(14日午後9時17分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影 つながりの象徴が四球だ。452個は12球団最多で、最少の中日との差は約180。相手に与えたダメージは計り知れない。セ・リーグのある投手は「ストライクゾーンで勝負せざるを得なくなった」と明かす。  「チャンスでボール球を振るな」。今季、岡田監督が口酸っぱく繰り返した言葉だ。一気 呵成(かせい) に攻めた六回、クリーンアップの3人がスイングしたのは、いずれもストライクゾーンに来た球。二軍落ちを経験しながら、9月に大活躍を見せる佐藤輝は「間違いなく、僕史上、一番最高の日」と喜びに浸った。  チームは開幕時の指揮官の思いを上回る成長曲線を描き、9月に入って無敗の11連勝。「ちょっと勝ちすぎですね……。こんなに強くなるとは」。球界最年長監督は目尻を下げ、選手とともに歓喜に酔いしれた。(西井遼)佐藤輝明選手と抱き合って優勝を喜ぶ岡田監督(中央)(14日午後8時52分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影   阪神・岡田監督 「甲子園で絶対決めようと、みんながそういう気持ちでいった。まさか9月にこんな強くなるとは思っていなかった。ちょっと勝ちすぎましたね。今日で『アレ』は封印してみんなで優勝を分かち合いたい。1位

A person who loves writing, loves novels, and loves life.Seeking objective truth, hoping for world peace, and wishing for a world without wars.
[プロ野球] 「アレ」へ阪神・岡田監督「ボール球振るな」…四球12球団トップの打線で一気に頂点

阪神4―3巨人

 阪神は六回、大山の犠飛と佐藤輝の2ランで3点を先取し、七回に加点して突き放した。才木は7回1失点で自身3連勝。巨人は終盤の追い上げも及ばず、3連敗。

 大一番で、阪神が誇るドラフト1位の中軸3人が輝いた。

6回1死1、3塁、大山が先制の犠飛を放つ(捕手・岸田)(14日)=大塚直樹撮影
6回1死1、3塁、大山が先制の犠飛を放つ(捕手・岸田)(14日)=大塚直樹撮影

 六回。先頭の近本が右前打で出塁し、中野が倒れた後だ。3番の森下がこの日3安打目で続き、一死一、三塁。ここで全試合に4番で先発出場する大山が「初回の好機を(自身の併殺打で)潰していた。何とか1点を」と中犠飛で均衡を破ると、甲子園のボルテージは最高潮に達した。

 5番佐藤輝は変化球を捉える。打球は中堅方向へ。「頼むから入ってくれ」。低い弾道は球団初の新人から3年連続20本塁打をクリアするバックスクリーンへの2ランとなった。

 チーム打率は高くなく、本塁打は最下位の中日に次いで少ない。それでも、リーグトップの得点力を誇る。ある球団の投手コーチは「今季の阪神はまさに『打線』だった」と脱帽する。

場内一周をする岡田監督(中央)ら阪神の選手たち(14日午後9時17分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影
場内一周をする岡田監督(中央)ら阪神の選手たち(14日午後9時17分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影

 つながりの象徴が四球だ。452個は12球団最多で、最少の中日との差は約180。相手に与えたダメージは計り知れない。セ・リーグのある投手は「ストライクゾーンで勝負せざるを得なくなった」と明かす。

 「チャンスでボール球を振るな」。今季、岡田監督が口酸っぱく繰り返した言葉だ。一気 呵成かせい に攻めた六回、クリーンアップの3人がスイングしたのは、いずれもストライクゾーンに来た球。二軍落ちを経験しながら、9月に大活躍を見せる佐藤輝は「間違いなく、僕史上、一番最高の日」と喜びに浸った。

 チームは開幕時の指揮官の思いを上回る成長曲線を描き、9月に入って無敗の11連勝。「ちょっと勝ちすぎですね……。こんなに強くなるとは」。球界最年長監督は目尻を下げ、選手とともに歓喜に酔いしれた。(西井遼)

佐藤輝明選手と抱き合って優勝を喜ぶ岡田監督(中央)(14日午後8時52分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影
佐藤輝明選手と抱き合って優勝を喜ぶ岡田監督(中央)(14日午後8時52分、甲子園球場で)=吉野拓也撮影

  阪神・岡田監督 「甲子園で絶対決めようと、みんながそういう気持ちでいった。まさか9月にこんな強くなるとは思っていなかった。ちょっと勝ちすぎましたね。今日で『アレ』は封印してみんなで優勝を分かち合いたい。1位での通過は負けられないと思うし、日本で一番最後まで試合ができるように」

What's Your Reaction?

like

dislike

love

funny

angry

sad

wow