外為12時 円、下落 149円台後半 ユーロは対ドルで一時10カ月ぶり安値

3日午前の東京外国為替市場で円相場は下落した。12時時点は1ドル=149円85～86銭と前日17時時点に比べ11銭の円安・ドル高だった。10時すぎに一時149円89銭近辺と、2022年10月以来の安値をつけた。前日の米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢だった。米サプライマネジメント協会（ISM）が2日発表した9月の製造業景況感指数は49.0と前月から改善し、市場予想も上回った。米連邦準備理事会（FRB）が金融引き締めを続けるなかでも米景気は底堅さを保っているとの見方などから、2日の米長期金利は一時4.70%台まで上昇した。国内輸入企業など実需筋による円売り・ドル買い観測も円相場の重荷だった。もっとも、円は心理的節目である150円が目前に迫り、下げ渋る場面も目立った。3日午前の日経平均株価が前日と比べて一時500円近く下げ、投資家心理が弱気に傾くとして「低リスク通貨」とされる円には買いが入った。鈴木俊一財務相は3日午前の閣議後記者会見で、円安進行について「引き続き高い緊張感をもって万全の対応をする」などと述べた。市場では「発言機会が増えて円買い介入への警戒感は強まっているが、どこで実際に介入してくるか円の下値を探る雰囲気もある」（国内銀行のストラテジスト）との声が聞かれ、発言による円相場への反応は限られた。円は対ユーロで上昇した。12時時点は1ユーロ=156円83～85銭と同1円48銭の円高・ユーロ安だった。ドルに対するユーロ売りが円に対しても波及した。ユーロは対ドルで下落し、12時時点は1ユーロ=1.0465～66ドルと同0.0107ドルのユーロ安・ドル高だった。9時すぎに一時1.0462ドル近辺と、22年12月以来10カ月ぶりの安値をつけた。底堅い米景気や米長期金利の上昇基調を受けて、ユーロ売り・ドル買いが出た。〔日経QUICKニュース（NQN）〕