G7、ウクライナ安全を長期保証 2国間協定締結へ

スナク英首相（左手前）はG7として「決意を再確認」と強調（11日、ビリニュス）=AP【ロンドン=江渕智弘】英政府は12日、主要7カ国（G7）がロシアの侵攻を受けるウクライナの安全を長期的に保証する枠組みをつくると発表した。将来にわたり領土の主権を守れるように各国がウクライナと安全に関する2国間の協定を結ぶ。防衛装備の供与や情報共有の拡大、サイバーセキュリティーの強化などで協力する。リトアニアの首都ビリニュスで開催中の北大西洋条約機構（NATO）首脳会議にあわせ、12日にG7のすべての国が共同宣言に署名すると説明した。戦争の終結と将来の攻撃抑止のため、今後数年間にわたって各国がどのように支援していくかを定める。日本が他国の安全を長期的に保証する枠組みに参加するのは極めて異例となる。スナク英首相は「ウクライナが残虐行為に再びさらされることのないよう我々の決意を再確認するものだ」と訴えた。具体的には防衛装備の提供などのほか、ウクライナに対する訓練プログラムや軍事演習の拡大、同国の産業基盤の発展に向けた取り組みを想定する。英政府によると、新たな枠組みのもとで各国がウクライナに対する長期的なコミットメントの詳細を今後明らかにする。G7のうち日本を除く6カ国はNATOに加盟している。ウクライナはNATOへの加盟が実現するまで、安全を保証するよう求めていた。11日に公表したNATO首脳会議の共同声明には「加盟国が同意し、条件が整えばウクライナに参加を呼びかける」と記したものの、加盟時期のめどは盛り込まなかった。英政府はこれとは別に、ウクライナに供与した英国の主力戦車「チャレンジャー2」の弾薬数千発を提供すると発表した。戦闘車両など70台を超える車両の供与やウクライナの装備品の修理、負傷兵のリハビリテーション施設の設置といった追加支援もする。【関連記事】・NATO首脳会議、ウクライナ加盟で温度差　時期明示せず・ウクライナ、バフムト包囲へ前進か　ロシアは否定・ロシア侵攻で特別法廷、「夏過ぎにも内容提示」　EU高官