キヤノンMJ、日産系の東日システムにTOB 買収目指す

キヤノンマーケティングジャパンは日産系の東京日産コンピュータシステムに対してTOBを実施し買収に乗り出すキヤノンマーケティングジャパン（MJ）は9日、東証スタンダード上場の東京日産コンピュータシステムに対してTOB（株式公開買い付け）を実施すると発表した。全株式の取得で完全子会社化を目指す。キヤノンMJが成長領域として力を入れる企業向けのIT（情報技術）サービスで技術や顧客層を取り込む。TOB価格、91%のプレミアム東日システムは日産自動車系でITサービスなどを手掛ける。買い付け価格は1株あたり1748円。東日システムの9日の終値は913円で、91%のプレミアム（上乗せ幅）となる。買い付け期間は10日から9月25日まで。買い付け予定数の上限は設定していない。キヤノンMJによる取得額は約110億円を予定する。TOBが成立した場合、東日システムは上場廃止となる見込み。東京証券取引所は9日、東日システムを「監理銘柄（確認中）」に指定した。東日システムは日産系の車販売会社、日産東京販売ホールディングス（HD）の子会社。2023年3月期の売上高は80億円で従業員数は159人。自動車など製造業や流通業向け基幹システムの導入支援や保守を強みとする。東日システム、TOBに賛同東日システムは9日、TOBへの賛同と株主にTOBへの応募を推奨する意見表明をした。親会社の日産東京販売HDは同社が持つ54%の全株式でTOBに応募する。日産東京販売HDは事業ポートフォリオの再編に取り組んでおり、経営資源を自動車販売や整備などに集中させる狙いとみられる。キヤノンMJはTOBによる買収で、技術者や営業を相互に補完し合うほか、顧客基盤を活用して販売力を高めることを狙う。また両社の交流を通して人材育成も進める。