[ニュース] 駒沢大の大黒柱・鈴木芽吹、意地の日本勢トップ…自己ベスト相次いだホクレンＤＣ

　７月の北海道は長距離ランナーにとって、トラックシーズンの総まとめに臨む大地となる。１日から１５日まで、５戦行われたホクレン・ディスタンスチャレンジ（ＤＣ）では、多くの学生ランナーが自己ベストという果実をもぎ取り、夏場の走り込みへ弾みをつけた。（編集委員　近藤雄二） 順天堂大・三浦龍司、世界選手権へ「手応え良かった」…日本選手権３０００ｍ障害３連覇 ５０００メートル１３分２４秒５５の好タイムをマークした駒大の鈴木芽吹 ５０００ｍ日本人学生新記録ならず「全然だめ」　降りしきる雨、吹きつける風の中、実業団の外国勢が引っ張る先頭集団に、駒大のエース鈴木芽吹（４年）が食らいついていた。　ＤＣ最終戦となった１５日の千歳大会。夕闇の５０００メートル最終組は、１３分２０秒前後を狙うハイペースで進んだ。今年の箱根駅伝２区区間賞を獲得した中大の吉居大和（４年）、早大で成長株の伊藤大志（３年）と山口智規（２年）も、実業団の実力者に負けじと、果敢にラップを刻んでいた。　その中で、ラスト１０００メートルまで耐えた唯一の日本勢が鈴木だった。ラスト１周の鐘が鳴り、外国勢からジリジリ離されたが、自己記録を３秒２８更新する１３分２４秒５５でゴール。しかし、王者駒大の大黒柱は渋い表情で切り出した。　「自分的には全然だめ。学生記録を目指し、外国勢からも置いていかれてしまったので、悔しいです」　狙っていたのは竹沢健介（早大）の持つ１３分１９秒００の日本人学生記録。高い目標があっただけに、自身を責める言葉が続いた。ただ、この天候での自己新に、竹沢の記録まで５秒余りの走りは高く評価できる。「チームにとっては、主将の自己新でいい流れを作れるのでは？」。そう問いかけると、少しだけ表情が崩れた。　「自己記録もそうですが、いつも、レースでは絶対学生に負けるなと皆に言っているので、中大の吉居君たちに勝てたのはよかった」　主将として、有言実行で今年前半を締めくくれたことは、自身への納得材料となった。「これからは、しっかりチームのことを一番に考え、大学駅伝３冠に向かっていきたい」。夏への士気も、確実に高まった。 1 2