プリゴジン氏、プーチン氏と手打ちか ロシア滞在の情報

ロシア南部ロストフナドヌーを後にするプリゴジン氏(6月24日)=ロイターロシアで反乱を起こした同国の民間軍事会社ワグネルについて、ベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が「(ロシア北西部の)サンクトペテルブルクにいる」と述べた。同氏の影響力低下を条件にプーチン政権と手打ちしたとの見方がある。プリゴジン氏は武装蜂起の停止後、ベラルーシに出国する条件でプーチン大統領の粛清を免れたとみられていた。ベラルーシ国営のベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は6日、プリゴジン氏について「ベラルーシにいない」と主張した。プリゴジン氏の動向を巡っては6月末以降、同氏が搭乗した可能性がある航空機がサンクトペテルブルクやモスクワなどロシア国内で発着したと独立系メディアなどが報道し、所在を巡って情報が入り乱れていた。ロシアのペスコフ大統領報道官は6日、プリゴジン氏の居所について「把握していない」と記者団に述べ、同氏の行動について表面上は「黙認」する考えを示した。ワグネルの反乱は6月23日の武装蜂起宣言から1日で収束した。仲介役を担ったルカシェンコ氏によると「プリゴジン氏と戦闘員の絶対的な安全を保証する」として、同氏をベラルーシが受け入れることで合意した。プーチン氏は「約束したことはすべて実行する」と応じたとされる。ルカシェンコ氏の発言以外では、交渉の詳細は明らかになっていない。独立系メディアのメドゥーザは6月25日に関係筋の話として「彼(プリゴジン氏)が従来のような影響力や財源を持たない」ことで「手打ち」がなされた可能性があると伝えた。実際、プリゴジン氏の力を弱らせる動きは進んでいる。プーチン氏は27日、プリゴジン氏の企業グループによる軍への食料提供ビジネスにロシア政府が年間800億ルーブル(約1200億円)を支払っていたと述べ、「すべてを調査していく」と汚職問題の調査に乗り出す方針を表明した。6月末にはプリゴジン氏が保有するメディアグループが活動を停止したと伝わった。ロシアの国営テレビは7月5日、ロシア当局がプリゴジン氏が保有するとされる豪勢な邸宅を捜索する映像を流した。大量の札束や偽造パスポートが画面に映り、汚職の象徴と糾弾した。プリゴジン氏のイメージ失墜を狙ったとみられる。プーチン政権はプリゴジン氏が国内で人気を得ることに神経質になっている。ロシアの民間世

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プリゴジン氏、プーチン氏と手打ちか ロシア滞在の情報

ロシアで反乱を起こした同国の民間軍事会社ワグネルについて、ベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が「(ロシア北西部の)サンクトペテルブルクにいる」と述べた。同氏の影響力低下を条件にプーチン政権と手打ちしたとの見方がある。

プリゴジン氏は武装蜂起の停止後、ベラルーシに出国する条件でプーチン大統領の粛清を免れたとみられていた。ベラルーシ国営のベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は6日、プリゴジン氏について「ベラルーシにいない」と主張した。

プリゴジン氏の動向を巡っては6月末以降、同氏が搭乗した可能性がある航空機がサンクトペテルブルクやモスクワなどロシア国内で発着したと独立系メディアなどが報道し、所在を巡って情報が入り乱れていた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は6日、プリゴジン氏の居所について「把握していない」と記者団に述べ、同氏の行動について表面上は「黙認」する考えを示した。

ワグネルの反乱は6月23日の武装蜂起宣言から1日で収束した。仲介役を担ったルカシェンコ氏によると「プリゴジン氏と戦闘員の絶対的な安全を保証する」として、同氏をベラルーシが受け入れることで合意した。プーチン氏は「約束したことはすべて実行する」と応じたとされる。

ルカシェンコ氏の発言以外では、交渉の詳細は明らかになっていない。独立系メディアのメドゥーザは6月25日に関係筋の話として「彼(プリゴジン氏)が従来のような影響力や財源を持たない」ことで「手打ち」がなされた可能性があると伝えた。

実際、プリゴジン氏の力を弱らせる動きは進んでいる。プーチン氏は27日、プリゴジン氏の企業グループによる軍への食料提供ビジネスにロシア政府が年間800億ルーブル(約1200億円)を支払っていたと述べ、「すべてを調査していく」と汚職問題の調査に乗り出す方針を表明した。

6月末にはプリゴジン氏が保有するメディアグループが活動を停止したと伝わった。

ロシアの国営テレビは7月5日、ロシア当局がプリゴジン氏が保有するとされる豪勢な邸宅を捜索する映像を流した。大量の札束や偽造パスポートが画面に映り、汚職の象徴と糾弾した。プリゴジン氏のイメージ失墜を狙ったとみられる。

プーチン政権はプリゴジン氏が国内で人気を得ることに神経質になっている。

ロシアの民間世論調査会社レバダセンターが3日に発表したワグネルの武装蜂起に対する調査では、ロシア軍の腐敗や前線での兵器不足などを訴えてきたプリゴジン氏のロシア国防省への批判に対して46%が「批判は正当」と回答し、「反対」(30%)を大きく上回った。

インターネット上ではワグネルが一時制圧したロストフナドヌーから引き揚げる戦闘員に声援を送る動画があふれている。

ルカシェンコ氏は6日、「近くプーチン大統領と会談することで合意した。ワグネルについても話し合うだろう」とも述べた。プリゴジン氏やワグネルの処遇について協議する可能性がある。

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