プーチン氏「穀物無償供与」 ロシア・アフリカ首脳会議

プーチン氏（右）と握手するエジプトのシシ大統領（26日、サンクトペテルブルク）=APロシアとアフリカ諸国の外交関係強化に向けた「ロシア・アフリカ首脳会議」が27日、ロシア北西部サンクトペテルブルクで開幕した。同国は今月にウクライナ産穀物輸出合意の履行停止を決定した。アフリカ諸国が抱える穀物不足への懸念を巡る議論が焦点になる。ロシア・アフリカ首脳会議は2019年以来2回目で、2日間の日程で開催する。アフリカ諸国49カ国が参加する予定。同時並行で開催する経済フォーラムの会合でプーチン大統領は27日に演説し、マリや中央アフリカなど6カ国に対し「今後3、4カ月の間に、2万5千〜5万トンの穀物を無償で提供する用意がある」と述べ、ウクライナ産穀物を代替できると主張した。プーチン氏は「西側諸国がロシアの穀物や肥料の供給を妨害している」とも述べ、改めて欧米諸国のロシアに対する制裁を批判した。28日は首脳会議の本会議にプーチン氏やアフリカ諸国の首脳が参加し、食糧問題や経済連携、安全保障などについて議論する見通し。アフリカ諸国はウクライナやロシアへの穀物輸入の依存度が高く、ロシアのウクライナ産穀物輸出合意の停止への懸念は高まっている。首脳会議に合わせて、プーチン氏はサンクトペテルブルクを訪れているアフリカ首脳と個別の首脳会談も実施する予定だ。26日にはエジプトのシシ大統領、エチオピアのアビー首相と相次いで会談した。プーチン氏はシシ氏との会談で、エジプトでロシアが支援する原発プロジェクトについて「すべてが計画通りに進んでいる」と述べ、両国間の貿易拡大やエジプトがロシアの対アフリカでの貿易高で3分の1を占めることなどを評価した。シシ氏はロシアとの外交協力について「常に前向きな姿勢で臨んでいる」と応じた。一方、中央アフリカのロシア政府系組織は27日、サンクトペテルブルクで民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏とみられる人物がアフリカの高官と会っている写真をSNSに投稿した。情報の真偽は不明だ。