中国の航行妨害非難 日米比外相が抑止協議

【ニューヨーク=共同】日本と米国、フィリピンの3カ国外相は22日、国連総会が開かれているニューヨークで会合に臨み、東・南シナ海で覇権主義的な動きを続ける中国への抑止力強化を話し合った。南シナ海でのフィリピン船への航行妨害を含め、国際法に反する中国の行為を非難し続けると表明した。22日、米ニューヨークで開かれた日米比外相会合（外務省提供・共同）3カ国外相会合は7月のインドネシアでの開催に続き2回目。上川陽子外相、米国のブリンケン国務長官、フィリピンのマナロ外相が海洋状況把握（MDA）を含む安全保障協力の推進や、エネルギーやインフラ、デジタル経済での課題を協議した。上川氏は「法の支配に基づく国際秩序の強化に向け、重層的な協力が重要だ」との認識を示した。ブリンケン氏は「3カ国の連携は他の国やパートナーにも有益だ」と強調した。上川氏とブリンケン氏は22日、韓国の朴振（パク・ジン）外相と3人で立ち話をした。8月にワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開かれた日米韓首脳会談を受け、北朝鮮への対応や「自由で開かれたインド太平洋」の実現への取り組みで日米韓が緊密な情報交換を続けることを確認した。韓国政府によると、3者は北朝鮮とロシアの軍事協力の動きに深刻な懸念を表明した。中国は南シナ海の軍事拠点化を進め、ほぼ全域に権益があるとする新たな地図を8月に公表。フィリピンなど周辺国への干渉を強めている。日米とフィリピンは台湾有事への対応も視野に安保協力を進めており、8月にはオーストラリアも含めた合同訓練を実施した。