中谷潤人、破壊的KOが魅力のスター候補 18日初防衛戦

WBOスーパーフライ級の初防衛戦に向け調整する王者の中谷潤人。「気持ちは高まっている」と話す=共同日本ボクシングの大興行が目前に迫っている。9月18日に東京・有明アリーナで行われるビッグイベントのメインでは世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)統一ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)が防衛戦を行い、セミファイナルでは元キックボクサーの那須川天心(帝拳)がボクシング転向2戦目を行う。そんな豪華メンバーがそろった中でも、海外から最も大きな注目を集めるのはアンダーカードに登場する世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者の中谷潤人(M・T)かもしれない。【関連記事】・寺地拳四朗「自然とKO決着」18日に統一王座防衛戦・コルテス、中谷潤人の攻略に自信 18日WBO王座戦技術、パワー、体格の良さをすべて備えた中谷は2016年にプロ入り以降、25戦全勝(19KO)と連勝街道を驀進(ばくしん)中。25歳となった現在までにフライ級、スーパーフライ級の世界王者になり、存在感を存分にアピールしてきた。今年5月にラスベガスで行ったアンドルー・モロニー(オーストラリア)とのWBO王座決定戦での強さはセンセーショナルだった。立ち上がりから元王者の実力者モロニーを圧倒した中谷は、2、11回に痛烈なダウンを奪う。最後は12ラウンドに鮮やかな左フックで相手を沈め、破壊的なKO勝利でアピールした。派手なノックアウトを好むのは世界のどの国のファン、関係者でも同じ。特に軽量級選手が成し遂げた際のインパクトは大きい。元ESPN.comの有名記者、ダン・レイフィール氏が「とてつもないKOだった。私の中では現時点で『年間最高KO』の最有力候補だ。彼は本物だよ」と述べていたのをはじめ、この一戦は中谷の知名度、評価を飛躍的に高めることになった。「周囲からよく『モロニーとの前の試合見たよ』と声をかけられるんですよ。あの試合を機に、今後の防衛戦を見てくれる人もたくさんいると思う。よりよいパフォーマンスをしたいという気持ちは高まっています」記念写真に納まるWBOスーパーフライ級王者の中谷(左)と挑戦者のアルヒ・コルテス(16日、東京都内)=共同今夏、スパーリング合宿のために再渡米した中谷は目を輝かせてそう述べていた。晴れて軽量級の新スター候補と目されるようになったサウスポーにとって、今月

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中谷潤人、破壊的KOが魅力のスター候補 18日初防衛戦

日本ボクシングの大興行が目前に迫っている。9月18日に東京・有明アリーナで行われるビッグイベントのメインでは世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)統一ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)が防衛戦を行い、セミファイナルでは元キックボクサーの那須川天心(帝拳)がボクシング転向2戦目を行う。そんな豪華メンバーがそろった中でも、海外から最も大きな注目を集めるのはアンダーカードに登場する世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者の中谷潤人(M・T)かもしれない。

技術、パワー、体格の良さをすべて備えた中谷は2016年にプロ入り以降、25戦全勝(19KO)と連勝街道を驀進(ばくしん)中。25歳となった現在までにフライ級、スーパーフライ級の世界王者になり、存在感を存分にアピールしてきた。

今年5月にラスベガスで行ったアンドルー・モロニー(オーストラリア)とのWBO王座決定戦での強さはセンセーショナルだった。立ち上がりから元王者の実力者モロニーを圧倒した中谷は、2、11回に痛烈なダウンを奪う。最後は12ラウンドに鮮やかな左フックで相手を沈め、破壊的なKO勝利でアピールした。

派手なノックアウトを好むのは世界のどの国のファン、関係者でも同じ。特に軽量級選手が成し遂げた際のインパクトは大きい。元ESPN.comの有名記者、ダン・レイフィール氏が「とてつもないKOだった。私の中では現時点で『年間最高KO』の最有力候補だ。彼は本物だよ」と述べていたのをはじめ、この一戦は中谷の知名度、評価を飛躍的に高めることになった。

「周囲からよく『モロニーとの前の試合見たよ』と声をかけられるんですよ。あの試合を機に、今後の防衛戦を見てくれる人もたくさんいると思う。よりよいパフォーマンスをしたいという気持ちは高まっています」

今夏、スパーリング合宿のために再渡米した中谷は目を輝かせてそう述べていた。晴れて軽量級の新スター候補と目されるようになったサウスポーにとって、今月18日のアルヒ・コルテス(メキシコ)との初防衛戦は内容が問われる舞台になる。

25勝(10KO)3敗2分の戦績を積み重ねてきたコルテスは昨年9月、当時WBCスーパーフライ級フランチャイズ王者だったメキシコの英雄ファン・フランシスコ・エストラーダに善戦して名を挙げた。それでも下馬評では中谷が断然優位であり、何が求められているかを王者は理解している。

「KO勝利を期待されていることに多少のプレッシャーはあります。ただ、評価されるために、そんな期待感を超えなければいけないというのは、井上尚弥さんが証明されてきた通り。僕自身もKOにこだわりはあります」

多くのファンから日本ボクシング界では井上尚弥(大橋)に次ぐ存在と目されるようになった中谷。今回の試合をクリアすれば、井上と同様に統一戦路線に足を踏み出すか、あるいは井上が昨年まで戦ったバンタム級に階級を上げる可能性もある。現在はスーパーバンタム級で戦う井上と将来的に同階級で競い合うことになっても不思議はなく、様々な意味で楽しみな存在である。

「僕も最終的には(全階級で最高のボクサーを定める)パウンド・フォー・パウンドのナンバーワンを目指したいです。そのためにも今後のすべての試合が重要。9月18日の防衛戦でも最高のパフォーマンスをお見せするつもりです」

スケールの大きさを感じさせる中谷の行く手には明るい未来が広がっている。その道のりをさらに輝かしいものにすべく、コルテス戦でKOパンチが炸裂(さくれつ)する瞬間をファンは決して見逃すべきではない。

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