作家の森村誠一さん死去、90歳 「人間の証明」など

森村誠一さん(2015年12月、東京都内)=共同小説「人間の証明」やノンフィクション「悪魔の飽食」などで知られる作家の森村誠一(もりむら・せいいち)さんが7月24日午前4時37分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。90歳だった。告別式は近親者で行う。青山学院大卒業後、ホテルマンとして働きながら小説を執筆。1969年「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞した。国家権力と企業の癒着を描いた「腐蝕(ふしょく)の構造」は日本推理作家協会賞を受賞し、テレビドラマ化された。刑事を主人公とした「棟居刑事シリーズ」など、他の作品もドラマ化された。76年には西条八十の詩をモチーフにした「人間の証明」を発表、松田優作主演の同名映画のヒットもあって、ベストセラーとなった。続く「野性の証明」も高倉健主演で映画化、話題を呼んだ。社会派の要素と謎解きの面白さを併せもつ作風で知られた。2011年には元禄期の江戸を舞台にした「悪道」で吉川英治文学賞を受賞した。70歳頃から散歩や旅行にカメラを持参し、写真と俳句を組み合わせた「写真俳句」を発表。自らの老いについて率直につづった21年のエッセー「老いる意味」はベストセラーになった。

A person who loves writing, loves novels, and loves life.Seeking objective truth, hoping for world peace, and wishing for a world without wars.
作家の森村誠一さん死去、90歳 「人間の証明」など

小説「人間の証明」やノンフィクション「悪魔の飽食」などで知られる作家の森村誠一(もりむら・せいいち)さんが7月24日午前4時37分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。90歳だった。告別式は近親者で行う。

青山学院大卒業後、ホテルマンとして働きながら小説を執筆。1969年「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞した。国家権力と企業の癒着を描いた「腐蝕(ふしょく)の構造」は日本推理作家協会賞を受賞し、テレビドラマ化された。刑事を主人公とした「棟居刑事シリーズ」など、他の作品もドラマ化された。

76年には西条八十の詩をモチーフにした「人間の証明」を発表、松田優作主演の同名映画のヒットもあって、ベストセラーとなった。続く「野性の証明」も高倉健主演で映画化、話題を呼んだ。

社会派の要素と謎解きの面白さを併せもつ作風で知られた。2011年には元禄期の江戸を舞台にした「悪道」で吉川英治文学賞を受賞した。

70歳頃から散歩や旅行にカメラを持参し、写真と俳句を組み合わせた「写真俳句」を発表。自らの老いについて率直につづった21年のエッセー「老いる意味」はベストセラーになった。

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