北朝鮮ICBM級ミサイル、米全土を射程か 飛行最長74分

北朝鮮のミサイル発射に関するニュースを伝える大阪・梅田の大型モニター（12日午後）=共同防衛省は12日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル（ICBM）級の弾道ミサイル1発を発射したと発表した。高角度のロフテッド軌道で打ち上げられ、飛行時間は過去最長の74分に達した。同省は通常軌道なら射程は米国全土に到達する1万5000キロメートルを超える可能性があると分析した。岸田文雄首相は訪問先のリトアニアで記者団に「日本や地域、国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて容認できない」と北朝鮮を非難。「日米、日米韓などで緊密に連携し、平和と安全の確保に万全を期す」と強調した。防衛省によると飛距離が1000キロメートル程度、最高高度はおよそ6000キロメートルだった。日本の排他的経済水域（EEZ）外の日本海に落ちた。船舶などへの被害は確認されていない。北朝鮮によるICBM級の発射は推定を含めて14回目だ。日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。首相は12日に韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領と会談した。対北朝鮮での日米韓の結束を呼びかけた。これに先立ち、日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は電話で協議した。地域の安全保障への脅威だとの認識を共有し、抑止力や対処力の強化で一致した。北朝鮮は連日のように、朝鮮半島周辺で偵察機を展開する米国への批判を繰り返している。朝鮮中央通信は11日、米軍機の撃墜を示唆する金与正（キム・ヨジョン）朝鮮労働党副部長の談話を報じていた。【関連記事】・北朝鮮ミサイルはICBM級、過去最長の74分飛行　防衛省・北朝鮮、輸入拡大も生活物資不足深刻　食料は19年の7割