[夏の甲子園] 「四国でも波乱起こしたろか」…明徳義塾に強気の真っ向勝負、雪辱果たした高知中央が初の決勝へ

 第105回全国高校野球選手権記念高知大会は23日、高知市の県立春野球場で準決勝が行われ、高知中央と高知が決勝に進出した。高知中央は延長十一回、タイブレイクで昨夏優勝の明徳義塾を破り、高知は八回コールドで高知商に快勝した。決勝は25日午後1時から同球場で行われる。 高知中央、高知 25日決勝 高知中央がタイブレイクの接戦制す高知中央2―1明徳義塾 タイブレイクの延長十一回、高知中央は犠打と申告敬遠で一死満塁として、西岡主将の押し出し四球でまず1点。二死後、「自分なら打てる」と気持ちを奮い立たせて右打席に向かった奥田が内角直球を中前にはじき返し、リードを2点に広げた。「何も考えずに夢中で一塁へ走っていた。練習の成果を出し切った」。試合後、奥田が笑顔を見せた。高知中央―明徳義塾 決勝進出を決め、喜ぶ高知中央の選手たち(県立春野球場で) 王者の明徳義塾を相手に「コールド負けするかも知れない」と危惧していた太田監督の予想を覆し、緊迫した投手戦になった。先発の藤田は左腕からの直球を武器に強気の投球。球速以上に打者の胸元で伸びがあり、再三のピンチをしのいだ。八回途中まで4安打、無失点の好投に太田監督も「よく踏ん張った」とねぎらった。  昨夏の準決勝で明徳義塾に敗れた悔しさが選手たちの練習の糧になってきた。「明徳に勝つことを意識してきた」と西岡主将はいう。他校との練習試合でも明徳義塾の攻撃や守りを想定しながら向き合ってきた。 この夏、地方大会で強豪校の敗退が相次ぐ。「四国でも波乱、起こしたろか」と臨んだ選手たちが、初めて勝ち取った決勝進出。「きょうの勝利を忘れ、気を引き締めて臨みたい」。西岡主将が力を込めた。(石渕譲)力投した明徳義塾の小林明徳エース162球力尽く 4大会連続の甲子園出場を逃した明徳義塾。猛暑のなか、延長十一回まで162球を投げきったエース小林は「自分のせいで負けてしまった」と涙が止まらなかった。右腕からの角度ある直球と変化球で緩急をつけ、九回まで無失点。延長十回のタイブレイクも相手の送りバントを自らの好守備でさばいて切り抜けたが、十一回は「気持ちに余裕がなくなり、甘いところにいってしまった」と悔やんだ。 それでも馬淵監督は「よう投げた。小林は責められん。負けは監督の責任」といい、捕手としてリードした寺地も「走者を出しても冷

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[夏の甲子園] 「四国でも波乱起こしたろか」…明徳義塾に強気の真っ向勝負、雪辱果たした高知中央が初の決勝へ

 第105回全国高校野球選手権記念高知大会は23日、高知市の県立春野球場で準決勝が行われ、高知中央と高知が決勝に進出した。高知中央は延長十一回、タイブレイクで昨夏優勝の明徳義塾を破り、高知は八回コールドで高知商に快勝した。決勝は25日午後1時から同球場で行われる。

高知中央、高知 25日決勝

高知中央がタイブレイクの接戦制す

高知中央2―1明徳義塾

 タイブレイクの延長十一回、高知中央は犠打と申告敬遠で一死満塁として、西岡主将の押し出し四球でまず1点。二死後、「自分なら打てる」と気持ちを奮い立たせて右打席に向かった奥田が内角直球を中前にはじき返し、リードを2点に広げた。「何も考えずに夢中で一塁へ走っていた。練習の成果を出し切った」。試合後、奥田が笑顔を見せた。

高知中央―明徳義塾 決勝進出を決め、喜ぶ高知中央の選手たち(県立春野球場で)
高知中央―明徳義塾 決勝進出を決め、喜ぶ高知中央の選手たち(県立春野球場で)

 王者の明徳義塾を相手に「コールド負けするかも知れない」と危惧していた太田監督の予想を覆し、緊迫した投手戦になった。先発の藤田は左腕からの直球を武器に強気の投球。球速以上に打者の胸元で伸びがあり、再三のピンチをしのいだ。八回途中まで4安打、無失点の好投に太田監督も「よく踏ん張った」とねぎらった。

 昨夏の準決勝で明徳義塾に敗れた悔しさが選手たちの練習の糧になってきた。「明徳に勝つことを意識してきた」と西岡主将はいう。他校との練習試合でも明徳義塾の攻撃や守りを想定しながら向き合ってきた。

 この夏、地方大会で強豪校の敗退が相次ぐ。「四国でも波乱、起こしたろか」と臨んだ選手たちが、初めて勝ち取った決勝進出。「きょうの勝利を忘れ、気を引き締めて臨みたい」。西岡主将が力を込めた。(石渕譲)

力投した明徳義塾の小林
力投した明徳義塾の小林

明徳エース162球力尽く

 4大会連続の甲子園出場を逃した明徳義塾。猛暑のなか、延長十一回まで162球を投げきったエース小林は「自分のせいで負けてしまった」と涙が止まらなかった。右腕からの角度ある直球と変化球で緩急をつけ、九回まで無失点。延長十回のタイブレイクも相手の送りバントを自らの好守備でさばいて切り抜けたが、十一回は「気持ちに余裕がなくなり、甘いところにいってしまった」と悔やんだ。

 それでも馬淵監督は「よう投げた。小林は責められん。負けは監督の責任」といい、捕手としてリードした寺地も「走者を出しても冷静で低めにきっちり投げていた」と力投をたたえた。

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