[夏の甲子園] 足利大付、２年生エースの８回途中４安打快投も実らず…作新学院にタイブレイクで屈す

　第１０５回全国高校野球選手権記念栃木大会は１５日、県総合運動公園野球場と清原球場で３回戦４試合が行われた。２年ぶりの優勝を狙う作新学院は、延長タイブレイクの末に足利大付を下した。春８強の宇都宮商は白鴎大足利に敗れた。１６日も両球場で３回戦４試合が行われ、８強が出そろう。 夏の高校野球栃木大会、組み合わせ決定…選抜８強の作新学院は栃木工―黒羽の勝者と初戦 佐野日大１１―１真岡工　佐野日大が１４安打の猛攻で六回コールド勝ち。三回に３番・鈴木からの３連続適時打などで５点を奪うと、四回には井上の３ランなどで４点を加えた。真岡工は、先発・中川が２回を被安打０と好投したが、救援陣が打ち込まれた。作新学院６―３足利大付作新学院―足利大付　８回作新学院２死１塁、斎藤の左越え適時２塁打で１塁走者・磯が生還し、同点に追いつく（清原球場で）＝八幡大輝撮影　作新学院が終盤に底力を発揮し、タイブレイクにもつれる激戦を制した。八回に斎藤の適時二塁打で同点とすると、延長十回に武藤、斎藤の連続適時打などで３点を勝ち越した。足利大付は２度リード奪ったが、最後は力負けした。 先輩の教え胸に「ピンチの時こそ落ち着いて」 　足利大付のエース・川上 蒼空（そら） 投手（２年）は、尊敬する２学年上の先輩の教えを胸にマウンドに登り、八回途中まで作新打線を散発４安打に抑える好投を見せた。 川上蒼空投手　昨夏は、絶対的エース・小林央典さんを中心とした守りのチームで８強入り。今春の県大会、自身も「背番号１」をつけたが、１回戦で打ち込まれて敗退した。　自信を失いかけていたとき、小林さんの「ピンチの時こそ落ち着いて、自分のフォームで」とのアドバイスに救われた。この試合、作新の打者を前にして「怖かった」が、信念を貫き、内角を強気に攻め続けた。　最後は体力がなくなって降板し、チームを勝利に導けなかった。「この悔しさをバネに、エースナンバーを背負って来年こそはチームを引っ張る」と誓った。