大川小、大学生が初の案内役 遺族の思い継ぐ

大川小で語り部をする東北大の学生たち(10日、宮城県石巻市)=共同東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小で10日、地元の大学生グループが初めて来訪者への案内役を務めた。これまでは児童の遺族らが語り部を務めてきた。直接の体験がない若い世代が遺族の思いを学び、教訓を語り継いでいく。「救えた命が救えなかった命になった。極限状態で命を守るには、事前の準備が必要です」。震災遺構となった校舎前。東北大(仙台市)の学生4人は時折、原稿に目を落としながら来訪者に語りかけた。震災当時の写真を示したり、児童らが避難を試みた経路を一緒にたどったりして丁寧に説明した。来訪者の中には涙を浮かべて話に聞き入る人もいた。横浜市から初めて訪れた学校職員の松沢直明さんは「児童がなぜ犠牲になったのかがよく分かった。若い世代が伝えることで、同世代も聞く耳を持ってくれるのでは」と話した。語り部活動は、6年の次女、みずほさん(当時12)を亡くした佐藤敏郎さん(60)らが2015年につくった「大川伝承の会」が担ってきた。しかし年々増える語り部の依頼に対応できないことも。校舎周辺には悲劇を検証する案内板が乏しく、来訪者に教訓を伝えきれないとの懸念もあった。そこで今年2月、東北大のボランティア団体「スクラム」に協力を依頼。学生たちは、遺族による語り部活動の見学や自主的な勉強会を重ね、この日を迎えた。初めての案内役を終えた東北大2年の後藤太朗さんは「活動を後輩にもつなぎ、学びを還元していきたい」と意気込みを語った。佐藤さんは「『(遺族など)当事者しか語れない』という壁を軽々と越えてくれた。地域や世代も超えて教訓を広げてほしい」と期待を込めた。〔共同〕

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大川小、大学生が初の案内役 遺族の思い継ぐ

東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小で10日、地元の大学生グループが初めて来訪者への案内役を務めた。これまでは児童の遺族らが語り部を務めてきた。直接の体験がない若い世代が遺族の思いを学び、教訓を語り継いでいく。

「救えた命が救えなかった命になった。極限状態で命を守るには、事前の準備が必要です」。震災遺構となった校舎前。東北大(仙台市)の学生4人は時折、原稿に目を落としながら来訪者に語りかけた。震災当時の写真を示したり、児童らが避難を試みた経路を一緒にたどったりして丁寧に説明した。

来訪者の中には涙を浮かべて話に聞き入る人もいた。横浜市から初めて訪れた学校職員の松沢直明さんは「児童がなぜ犠牲になったのかがよく分かった。若い世代が伝えることで、同世代も聞く耳を持ってくれるのでは」と話した。

語り部活動は、6年の次女、みずほさん(当時12)を亡くした佐藤敏郎さん(60)らが2015年につくった「大川伝承の会」が担ってきた。しかし年々増える語り部の依頼に対応できないことも。校舎周辺には悲劇を検証する案内板が乏しく、来訪者に教訓を伝えきれないとの懸念もあった。

そこで今年2月、東北大のボランティア団体「スクラム」に協力を依頼。学生たちは、遺族による語り部活動の見学や自主的な勉強会を重ね、この日を迎えた。

初めての案内役を終えた東北大2年の後藤太朗さんは「活動を後輩にもつなぎ、学びを還元していきたい」と意気込みを語った。佐藤さんは「『(遺族など)当事者しか語れない』という壁を軽々と越えてくれた。地域や世代も超えて教訓を広げてほしい」と期待を込めた。〔共同〕

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