[旅] 海水を“味見”…たどり着いた理想の海<油谷湾の塩【2】>
「 油谷(ゆや) 湾の塩」を手がけている井上 雄(ゆう)然(ぜん) さん(51)は山口県下関市出身。「いつかは挑戦したい」と思い続けていた塩作りを始めるため、全国の海を訪ねては、海水の“味見”をして回った。 山口・長門の塩は四季折々、風味も変わる<油谷湾の塩【1】> ホースを手に、油谷湾の海水をポンプで吸い上げる井上雄然さん(山口県長門市で) いま一歩決め手に欠く中、同じ山口県内にある長門市の油谷湾の存在を知った。 粟(あわ)野(の) 川などから森の栄養をたっぷり含んだ水が流れ込む。周辺の山々には広葉樹林が広がり、廃水をたれ流す工場などもない。「灯台下暗し」で、まさに自分が理想としていた海だと気づいた。 2002年、下関市から長門市に移住。民宿などを営みながら湾岸に土地を探し求め、07年から本格的に塩作りを始めた。井上さんが塩を作る「百姓庵」塩工房のテラスから見える油谷湾の眺望(山口県長門市で) 塩の原料となる海水は、ホースを手に油谷湾に入って、ポンプで吸い上げている。「この海の豊かさは特別。春は海藻に覆われ、夏は小さな生き物でいっぱいになる。秋のミネラルバランスは新米のおにぎりと相性が良く、冬はすっきりとした味わいになる」と井上さん。それぞれ「四季の塩」と名付け、季節ごとに袋詰めしている。(「油谷湾の塩」編は全6回)
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いま一歩決め手に欠く中、同じ山口県内にある長門市の油谷湾の存在を知った。
2002年、下関市から長門市に移住。民宿などを営みながら湾岸に土地を探し求め、07年から本格的に塩作りを始めた。
塩の原料となる海水は、ホースを手に油谷湾に入って、ポンプで吸い上げている。「この海の豊かさは特別。春は海藻に覆われ、夏は小さな生き物でいっぱいになる。秋のミネラルバランスは新米のおにぎりと相性が良く、冬はすっきりとした味わいになる」と井上さん。それぞれ「四季の塩」と名付け、季節ごとに袋詰めしている。
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