[映画] 門脇麦が演じる不倫相手と夫に揺れる女性、「あえて」テンション低く…映画「ほつれる」

昔の撮影で印象に残っていることがある。「『ここ見てください』って言われて、ぼーっとしていたら、編集した映像では何か考えているように映っていた。だから、考える時は考えるけど、難しく考え過ぎないってことですかね」=青木久雄撮影 表情は作り過ぎず、声は抑え気味で――。公開中の映画「ほつれる」で主人公の女性、綿子を演じる門脇麦が心がけたのはそんな演技だ。不倫相手と夫との間で揺れる心理を繊細に演じた撮影を、「こういう演技をする映画が好きなので、幸せな時間だった」と振り返った。(近藤孝)  密会していた相手(染谷将太)を交通事故で亡くし、喪失感を味わう一方、愛情を失った夫(田村健太郎)に関係改善を迫られる。取り乱したり、怒りや悲しみをあらわにしたりしてもいいはずだが、綿子は言葉少なに、物憂げな表情を浮かべるばかり。 体温が低く感じる演技を、「あえてしています」。加藤拓也監督から特に指示があったわけではないが、台本の読み合わせの時から、「テンションの低さ」を自覚していた。「セリフがぎりぎり聞こえるかなというところを攻めている」とも。 気鋭の劇作家、演出家でもある加藤監督は、綿子の夫や不倫相手の家族(古舘寛治ら)のセリフを練って、脚本に書いた。一方、彼らに応じる綿子のセリフは少ない。「無言のシーンも多いですよね。でも、それが新たな緊張感を生んでいるのでは」 1 2

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[映画] 門脇麦が演じる不倫相手と夫に揺れる女性、「あえて」テンション低く…映画「ほつれる」
昔の撮影で印象に残っていることがある。「『ここ見てください』って言われて、ぼーっとしていたら、編集した映像では何か考えているように映っていた。だから、考える時は考えるけど、難しく考え過ぎないってことですかね」=青木久雄撮影
昔の撮影で印象に残っていることがある。「『ここ見てください』って言われて、ぼーっとしていたら、編集した映像では何か考えているように映っていた。だから、考える時は考えるけど、難しく考え過ぎないってことですかね」=青木久雄撮影

 表情は作り過ぎず、声は抑え気味で――。公開中の映画「ほつれる」で主人公の女性、綿子を演じる門脇麦が心がけたのはそんな演技だ。不倫相手と夫との間で揺れる心理を繊細に演じた撮影を、「こういう演技をする映画が好きなので、幸せな時間だった」と振り返った。(近藤孝)

 密会していた相手(染谷将太)を交通事故で亡くし、喪失感を味わう一方、愛情を失った夫(田村健太郎)に関係改善を迫られる。取り乱したり、怒りや悲しみをあらわにしたりしてもいいはずだが、綿子は言葉少なに、物憂げな表情を浮かべるばかり。

 体温が低く感じる演技を、「あえてしています」。加藤拓也監督から特に指示があったわけではないが、台本の読み合わせの時から、「テンションの低さ」を自覚していた。「セリフがぎりぎり聞こえるかなというところを攻めている」とも。

 気鋭の劇作家、演出家でもある加藤監督は、綿子の夫や不倫相手の家族(古舘寛治ら)のセリフを練って、脚本に書いた。一方、彼らに応じる綿子のセリフは少ない。「無言のシーンも多いですよね。でも、それが新たな緊張感を生んでいるのでは」

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