春秋(7月3日)
「梅雨期になるとまるで水蒸気の函(はこ)の中に万象がつかってしまうようになる」。詩人の金子光晴はこの時期の印象をそう記した(「梅雨」)。大きな雨粒に打たれれば、確かにあらゆるものが水分をまとったかのごとく見えてくる。水の圧倒的存在感が迫る季節である。▼実際、列島の頭上はるか高くには大量の水分がある。国土交通省によると、日本では年6600億立方メートルもの降水があるそうだ。生活用水で使うのは15...
「梅雨期になるとまるで水蒸気の函(はこ)の中に万象がつかってしまうようになる」。詩人の金子光晴はこの時期の印象をそう記した(「梅雨」)。大きな雨粒に打たれれば、確かにあらゆるものが水分をまとったかのごとく見えてくる。水の圧倒的存在感が迫る季節である。
▼実際、列島の頭上はるか高くには大量の水分がある。国土交通省によると、日本では年6600億立方メートルもの降水があるそうだ。生活用水で使うのは15...
What's Your Reaction?