[社会] 「いいね」欲しさにSNSで中傷、有罪判決を受けた24歳男性
[情報偏食]第4部 混沌もたらす者たち<2> 「裁判でウソをつき通したことを後悔している。ずっと謝りたかった」 「エコーチェンバー」極端思考が仲間内で加速…抜け出した男性「集団はカルト宗教のよう」 SNSの 誹謗(ひぼう) 中傷事件で侮辱罪に問われ、1月、拘留29日の有罪判決を受けた東海地方のアルバイト男性(24)は、読売新聞の取材にそう打ち明けた。裁判では、投稿は被害者に対するものではなかったとして無罪を主張。しかし、拘置所で過ごす間に反省したという。虚偽の主張をした理由は「中傷に対する厳罰化を求める動きがあり、うろたえていた」。 侮辱罪で有罪判決を受けた男性。「過激なことじゃないとみんな反応しない」と語る 男性は昨年3月、交通事故の被害防止を訴える活動をしている会社員松永拓也さん(37)に対する中傷をX(旧ツイッター)に投稿した。松永さんは東京・池袋の乗用車暴走事故で妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした。 <金や反響目当てで闘っているようにしか見えません> <天国の莉子ちゃんと真菜さんが喜ぶとでも?> そんな投稿を行った理由について、男性は「事故の加害者が高齢者だったのに実刑判決になり、かわいそうだと思ったから」と話す。 だが、攻撃的な言葉で他人を中傷するのは初めてではない。根底にあったのは承認欲求だ。 元々、Xで自身の趣味に関する投稿をしていたが「『いいね』が全然もらえず、面白くなかった」。しかし、松永さんに対する事件の3か月前、他人を攻撃する動画を投稿すると多くの人に拡散された。「反響がうれしかった」。その後、人をあおったり、 揶揄(やゆ) したりする投稿を始めた。 「承認欲求の誘惑に勝てず、再犯する可能性が高い」。松永さんは昨年12月の公判に出廷し、男性についてそう指摘した。 男性は公判で「インターネットでの発信はしない」と述べたが、今も投稿を続けている。「人を傷つけることはもうしたくない。でも注目されたい気持ちは変わらない」
[情報偏食]第4部 混沌もたらす者たち<2>
「裁判でウソをつき通したことを後悔している。ずっと謝りたかった」
SNSの
男性は昨年3月、交通事故の被害防止を訴える活動をしている会社員松永拓也さん(37)に対する中傷をX(旧ツイッター)に投稿した。松永さんは東京・池袋の乗用車暴走事故で妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした。
<金や反響目当てで闘っているようにしか見えません>
<天国の莉子ちゃんと真菜さんが喜ぶとでも?>
そんな投稿を行った理由について、男性は「事故の加害者が高齢者だったのに実刑判決になり、かわいそうだと思ったから」と話す。
だが、攻撃的な言葉で他人を中傷するのは初めてではない。根底にあったのは承認欲求だ。
元々、Xで自身の趣味に関する投稿をしていたが「『いいね』が全然もらえず、面白くなかった」。しかし、松永さんに対する事件の3か月前、他人を攻撃する動画を投稿すると多くの人に拡散された。「反響がうれしかった」。その後、人をあおったり、
「承認欲求の誘惑に勝てず、再犯する可能性が高い」。松永さんは昨年12月の公判に出廷し、男性についてそう指摘した。
男性は公判で「インターネットでの発信はしない」と述べたが、今も投稿を続けている。「人を傷つけることはもうしたくない。でも注目されたい気持ちは変わらない」
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