[社会] ヒマラヤ８０００ｍ峰１４座の撮影登山続ける写真家・石川直樹さん、残り２座の登頂へ出発

　ヒマラヤ８０００メートル峰で中判カメラによる撮影登山を続けている写真家の石川直樹さん（４６）が９月中旬、中国・ネパールの国境地帯に位置する高峰チョー・オユー（８２０１メートル）とシシャパンマ（８０２７メートル）の登頂を目指して、日本を出発した。両峰は、８０００メートル峰全１４座のうち、石川さんがまだ登っていない２座。登頂に成功すれば、世界でも数少ない１４座登頂者の仲間入りを果たすとともに、全１４座の登山の様子を中判カメラで記録するという１０年超に及ぶプロジェクトが完結することになる。（デジタル編集部） もし向こうからエベレストを写したら…　「世界の屋根」と呼ばれるヒマラヤ山脈には、標高８０００メートルを超える山が１４座ある。世界最高峰のエベレスト（８８４８メートル）を筆頭に、第２位のＫ２（８６１１メートル）、第３位のカンチェンジュンガ（８５８６メートル）と続き、石川さんが今回目指すチョー・オユー（８２０１メートル）は第６位、シシャパンマ（８０２７メートル）は第１４位の標高を誇る。８０００メートル峰の撮影登山を続けている写真家の石川直樹さん　国内外の辺境や山岳、都市など各地を舞台に活動してきた石川さんが初めてヒマラヤ登山を経験したのは、２００１年に中国・チベット側から登頂したチョモランマ（エベレスト）。その１０年後、「今度はネパール側から」と再訪した２０１１年のエベレストが８０００メートル峰での撮影登山に本腰を入れるきっかけになった。２度目の登頂からの下山中、眼前にそびえる世界第４位の高峰ローツェ（８５１６メートル）を見ながら脳裏をよぎったのは、「この山の頂上からエベレストを写したら、どんな写真が撮れるだろうか」という思いだった。浮かんだアイデアを実現しようと、翌年にはローツェに挑戦。頂上に立つことはできなかったものの、それ以来、毎年のようにヒマラヤへ通うようになった。コロナ禍による中断を経て、昨年はＫ２など４座、今年は７月までにアンナプルナ（８０９１メートル）など３座に新たに登頂し、残すところ、あと２座となった。 1 2 3