[社会] 秋田・能代のブランド「白神ねぎ」、大雨で大きく曲がり生産者落胆
ネギの被害状況を確認する高橋さん(19日、能代市で) 秋田県内最大のネギ産地である能代市の「白神ねぎ」が大雨の被害を受け、生産者から落胆の声が上がっている。ブランド農産物として近年海外でも注目を集めているが、雨の影響で多くのネギが曲がり、高値での販売は難しそうだという。 秋田の浸水、下水道から水があふれ出す「内水氾濫」起きたか…河川氾濫と重なり被害拡大 「農業は自然を相手にしなくてはいけない仕事。その覚悟はしていたはずだけど」。同市の農事組合法人「轟ネオファーム」の代表理事、高橋 裕(ゆたか) さん(69)は19日、ネギ畑を見つめながら悔しそうにつぶやいた。 同法人は6・4ヘクタールの畑で白神ねぎを生産するが、約6割にあたる4ヘクタールが最大で約20センチ浸水した。土がぬかるんでネギが斜めに傾いたため、このまま生育しても大きく曲がった状態になる見通しという。 甘みの強さが特徴の白神ねぎは、品質や見た目によって「A品」「B品」「規格外」の等級に分かれ、この畑では通常、7~8割が最も等級の高い「A品」として出荷される。 しかし、大雨被害の影響で、ほぼ全てのネギがA品と比べて出荷価格が3~5割安い「B品」以下になる見込みという。 高橋さんは「浸水で普段よりも防除や消毒の費用がかかる。収入は例年の半分いけば良い方だろう。採算が取れなければ今年の収穫を諦めるしかない」と肩を落とす。知事「県でもできる限り支援」 白神ねぎは県もブランド化を支援してきただけに、佐竹知事も「残念だ」と述べた。知事は今年3月に台湾を訪れ、県産農産物のトップセールスを行ったが、その際に白神ねぎは現地で高い評価を受けたという。 佐竹知事は19日、被災地視察の一環で同法人の畑を訪れ、「県でもできる限りの支援をしたい」との考えを示した。 県のまとめによると、今回の大雨による農地の被害は21日午前10時現在、3328ヘクタールで確認されている。農地の冠水や浸水に加え、ため池や用水路といった施設の被害も661か所に上り、農林水産関連の被害総額は17億9580万円に達している。 県農林政策課は「まだ被害の全容を把握できる状況ではなく、被害件数は拡大する可能性が高い」としている。 被害を受けた農家向けの相談窓口や被害状況などは、県のポータルサイト「こまちチャンネル」(
秋田県内最大のネギ産地である能代市の「白神ねぎ」が大雨の被害を受け、生産者から落胆の声が上がっている。ブランド農産物として近年海外でも注目を集めているが、雨の影響で多くのネギが曲がり、高値での販売は難しそうだという。
「農業は自然を相手にしなくてはいけない仕事。その覚悟はしていたはずだけど」。同市の農事組合法人「轟ネオファーム」の代表理事、高橋
同法人は6・4ヘクタールの畑で白神ねぎを生産するが、約6割にあたる4ヘクタールが最大で約20センチ浸水した。土がぬかるんでネギが斜めに傾いたため、このまま生育しても大きく曲がった状態になる見通しという。
甘みの強さが特徴の白神ねぎは、品質や見た目によって「A品」「B品」「規格外」の等級に分かれ、この畑では通常、7~8割が最も等級の高い「A品」として出荷される。
しかし、大雨被害の影響で、ほぼ全てのネギがA品と比べて出荷価格が3~5割安い「B品」以下になる見込みという。
高橋さんは「浸水で普段よりも防除や消毒の費用がかかる。収入は例年の半分いけば良い方だろう。採算が取れなければ今年の収穫を諦めるしかない」と肩を落とす。
知事「県でもできる限り支援」
白神ねぎは県もブランド化を支援してきただけに、佐竹知事も「残念だ」と述べた。知事は今年3月に台湾を訪れ、県産農産物のトップセールスを行ったが、その際に白神ねぎは現地で高い評価を受けたという。
佐竹知事は19日、被災地視察の一環で同法人の畑を訪れ、「県でもできる限りの支援をしたい」との考えを示した。
県のまとめによると、今回の大雨による農地の被害は21日午前10時現在、3328ヘクタールで確認されている。農地の冠水や浸水に加え、ため池や用水路といった施設の被害も661か所に上り、農林水産関連の被害総額は17億9580万円に達している。
県農林政策課は「まだ被害の全容を把握できる状況ではなく、被害件数は拡大する可能性が高い」としている。
被害を受けた農家向けの相談窓口や被害状況などは、県のポータルサイト「こまちチャンネル」( https://www.e-komachi.jp/ )でも確認できる。
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