[社会] 5人死亡の北海道バス事故、衝突のトラック運転手に過重労働など確認されず

 北海道八雲町の国道5号でトラックと長距離バスが衝突し5人が死亡した事故で、函館労働基準監督署がトラックの所属会社を調査したところ、運転手の過重労働などの法令違反は確認されなかったことが、捜査関係者への取材でわかった。事故発生から18日で1か月。道警は、運転操作を誤り対向車線にはみ出したとして、トラック運転手を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで容疑者死亡のまま書類送検する方針。 捜査関係者によると、函館労基署が6月下旬、養豚会社「日本クリーンファーム」道南事業所(八雲町)を立ち入り調査し、死亡した運転手の勤務状況を聞き取るなどしたところ、長時間労働をさせたり、休日なしで働かせたりしていた事実はなかったという。多数の花が手向けられた事故現場付近(6月24日午後、北海道八雲町で) 一方、運転手は事故前日、同僚らに「熱がある」などと話し、風邪薬を服用していた。当日は周囲に体調不良を訴えておらず、運転ができないほど調子が悪そうではなかったという。道警は、運転に与えた影響について慎重に調べている。  事故は6月18日正午頃、八雲町の国道5号で発生。札幌発函館行き長距離バスと豚を運搬していたトラックが正面衝突し、双方の運転手と乗客3人の計5人が死亡、12人が重軽傷を負った。 国土交通省北海道開発局は10年前、一帯を事故危険区間に設定したが、中央分離帯などの正面衝突対策は取られていなかった。またトラックには、走行中の車線逸脱に対し警報ブザーを鳴らす装置はついていなかった。 開発局は事故後、現場に車線をはみ出した車に振動を伝え、運転手に注意を促す「ランブルストリップス」を設置した。◇ 事故を受け、道警は14日、国土交通省北海道開発局や道、道トラック協会、道バス協会などと札幌市内で重大交通事故抑止緊急対策会議を開き、正面衝突事故の抑止対策や、安全運転教育など事故防止に向けた連携強化を確認した。

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[社会] 5人死亡の北海道バス事故、衝突のトラック運転手に過重労働など確認されず

 北海道八雲町の国道5号でトラックと長距離バスが衝突し5人が死亡した事故で、函館労働基準監督署がトラックの所属会社を調査したところ、運転手の過重労働などの法令違反は確認されなかったことが、捜査関係者への取材でわかった。事故発生から18日で1か月。道警は、運転操作を誤り対向車線にはみ出したとして、トラック運転手を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで容疑者死亡のまま書類送検する方針。

 捜査関係者によると、函館労基署が6月下旬、養豚会社「日本クリーンファーム」道南事業所(八雲町)を立ち入り調査し、死亡した運転手の勤務状況を聞き取るなどしたところ、長時間労働をさせたり、休日なしで働かせたりしていた事実はなかったという。

多数の花が手向けられた事故現場付近(6月24日午後、北海道八雲町で)
多数の花が手向けられた事故現場付近(6月24日午後、北海道八雲町で)

 一方、運転手は事故前日、同僚らに「熱がある」などと話し、風邪薬を服用していた。当日は周囲に体調不良を訴えておらず、運転ができないほど調子が悪そうではなかったという。道警は、運転に与えた影響について慎重に調べている。

 事故は6月18日正午頃、八雲町の国道5号で発生。札幌発函館行き長距離バスと豚を運搬していたトラックが正面衝突し、双方の運転手と乗客3人の計5人が死亡、12人が重軽傷を負った。

 国土交通省北海道開発局は10年前、一帯を事故危険区間に設定したが、中央分離帯などの正面衝突対策は取られていなかった。またトラックには、走行中の車線逸脱に対し警報ブザーを鳴らす装置はついていなかった。

 開発局は事故後、現場に車線をはみ出した車に振動を伝え、運転手に注意を促す「ランブルストリップス」を設置した。

 事故を受け、道警は14日、国土交通省北海道開発局や道、道トラック協会、道バス協会などと札幌市内で重大交通事故抑止緊急対策会議を開き、正面衝突事故の抑止対策や、安全運転教育など事故防止に向けた連携強化を確認した。

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