[社会] Tシャツに「メッセージ性」…元看護助手の訴訟で地裁が着用認めず

 入院患者に対する殺人罪で服役後、再審無罪が確定した湖東記念病院(滋賀県東近江市)の元看護助手、西山美香さん(43)が国と県を相手取った国家賠償訴訟に絡み、大津地裁が6月22日の口頭弁論で西山さんが着ていたTシャツは「メッセージ性がある」として以後、着用しないよう求めていたことがわかった。西山さんの弁護団は25日、地裁に抗議する意見書を提出した。問題視されたTシャツを報道陣に見せる西山さん(大津市で) 意見書によると、Tシャツには公正な司法の実現を目指す団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」の名称が英語でプリントされていた。  口頭弁論翌日の6月23日、書記官から電話で代理人弁護士に、裁判所長と裁判長の見解として「政治的なメッセージのあるはちまきを持ち込むのと同じなのでやめてほしい」「次回、出席を断ることも検討する」と伝えられた。最高裁の庁舎管理規定や裁判所法を根拠としたという。 これに対し弁護団は、「団体名が印刷されているだけで、メッセージ性はない」と反論。期日は支障なく終わっており、害悪を引き起こす明白な危険が存在しなかった以上、「着用制限は憲法上の表現の自由の侵害で、違法かつ不当」とし、意見書で制限の撤回を求めた。 記者会見した西山さんは、25日の地裁の進行協議では着なかったと説明。6月の口頭弁論では団体を知ってもらいたいとの思いから、弁護士に相談した上で着用したとし、「裁判官からの苦情と聞いてショックだった。気づいた時に言ってくれれば着替えた」と述べた。 法廷で着用する服飾品を巡っては、福岡地裁で6月8日、同性婚訴訟の判決の言い渡し前に、地裁が原告や傍聴人に、性の多様性を意味する虹色の靴下などを着用しないか隠すよう要請。2021年10月、大阪地裁での同性婚訴訟の口頭弁論でも、開廷前に裁判所が傍聴人に、虹色のマスクを着用しないよう求めた。

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[社会] Tシャツに「メッセージ性」…元看護助手の訴訟で地裁が着用認めず

 入院患者に対する殺人罪で服役後、再審無罪が確定した湖東記念病院(滋賀県東近江市)の元看護助手、西山美香さん(43)が国と県を相手取った国家賠償訴訟に絡み、大津地裁が6月22日の口頭弁論で西山さんが着ていたTシャツは「メッセージ性がある」として以後、着用しないよう求めていたことがわかった。西山さんの弁護団は25日、地裁に抗議する意見書を提出した。

問題視されたTシャツを報道陣に見せる西山さん(大津市で)
問題視されたTシャツを報道陣に見せる西山さん(大津市で)

 意見書によると、Tシャツには公正な司法の実現を目指す団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」の名称が英語でプリントされていた。

 口頭弁論翌日の6月23日、書記官から電話で代理人弁護士に、裁判所長と裁判長の見解として「政治的なメッセージのあるはちまきを持ち込むのと同じなのでやめてほしい」「次回、出席を断ることも検討する」と伝えられた。最高裁の庁舎管理規定や裁判所法を根拠としたという。

 これに対し弁護団は、「団体名が印刷されているだけで、メッセージ性はない」と反論。期日は支障なく終わっており、害悪を引き起こす明白な危険が存在しなかった以上、「着用制限は憲法上の表現の自由の侵害で、違法かつ不当」とし、意見書で制限の撤回を求めた。

 記者会見した西山さんは、25日の地裁の進行協議では着なかったと説明。6月の口頭弁論では団体を知ってもらいたいとの思いから、弁護士に相談した上で着用したとし、「裁判官からの苦情と聞いてショックだった。気づいた時に言ってくれれば着替えた」と述べた。

 法廷で着用する服飾品を巡っては、福岡地裁で6月8日、同性婚訴訟の判決の言い渡し前に、地裁が原告や傍聴人に、性の多様性を意味する虹色の靴下などを着用しないか隠すよう要請。2021年10月、大阪地裁での同性婚訴訟の口頭弁論でも、開廷前に裁判所が傍聴人に、虹色のマスクを着用しないよう求めた。

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