米共和党重鎮ロムニー氏、再選出馬せず 世代交代を訴え

ロムニー氏は2012年に共和党の大統領候補に指名された=AP【ワシントン=中村亮】米共和党の重鎮として知られるミット・ロムニー上院議員（76）は13日、2024年11月の上院選に再選出馬しないと発表した。「新世代のリーダーが必要な時だ」と言明し、政界の世代交代を訴えた。ロムニー氏は12年に共和党の大統領候補に指名され、民主党のオバマ氏に敗れた。18年に西部ユタ州上院選で勝利し、穏健派議員として知られる。トランプ前大統領と対立する場面が目立ち、弾劾裁判で罷免に賛成票を投じることもあった。ロムニー氏は13日、ビデオメッセージで24年の上院選に勝利して6年間の任期を終えた場合に年齢は80代半ばになっていると指摘。次世代のリーダーが「これから生きる世界を形成する決定を下すべきだ」と強調した。24年の大統領選で有力候補になっているバイデン大統領（80）とトランプ前大統領（77）に苦言を呈した。債務拡大や気候変動問題をあげて「バイデン大統領もトランプ前大統領もそれらの課題に対処するために党を主導していない」と断じた。「中国（への対処）に関してもバイデン大統領は軍事、トランプ前大統領は同盟関係にそれぞれ過少投資している」と批判した。「次世代のリーダーが世界を主導する次の段階に米国を導く必要がある」と主張した。ロムニー氏は前大統領と対立し、共和党内で批判を浴びた。上院選に出馬する場合に共和党の予備選で前大統領を支持する対抗馬が出て、激しい競争になるとの見方が多かった。