米外交委員長を収賄で起訴 エジプト政府に便宜の疑い

収賄の罪で起訴されたメネンデス上院議員夫妻=ロイター【ワシントン=芦塚智子】米ニューヨークの連邦地検は22日、民主党のメネンデス上院外交委員長（ニュージャージー州選出）を収賄などの罪で起訴したと発表した。エジプト政府や知人の実業家に便宜を図る見返りとして、数十万ドルの現金や金塊、高級車などを受け取っていたとしている。民主党重鎮議員の起訴はバイデン政権に痛手となる可能性がある。起訴されたのはメネンデス氏のほか妻のナディーン氏、ニュージャージー州の実業家3人。連邦地検によると、メネンデス氏はエジプト政府にカイロの米大使館職員の個人情報を渡したり、実業家のビジネスを有利にするために農務省に圧力をかけたりした疑いがある。実業家に対するニュージャージー州検察当局による捜査に影響を行使しようとした疑いも持たれている。米連邦捜査局（FBI）は2022年6月にメネンデス氏夫妻の自宅を捜索し、洋服の中などに隠されていた現金55万ドル（約8140万円）や高級車などを発見した。メネンデス氏は声明で「検察は議員職の通常業務をゆがめて伝えている」などとして容疑を否定した。メネンデス氏は下院議員などを経て06年に上院議員に就任した。24年に改選を控えている。民主党のシューマー上院院内総務によると、メネンデス氏は起訴を受けて外交委員長を辞任する。15年にも収賄で起訴されたが、陪審が評決に達することができず検察が起訴を取り下げた。メネンデス氏が議員を辞職した場合は州知事が次の選挙までの後任を任命する。ニュージャージー州の知事は民主党で、議会の勢力に影響はない。