[経済] 来年のおせちは「大人数」で…８人前や２７万円「なだ万」三段重も

　来年の正月に向けたおせち商戦が早くも始まった。新型コロナが「５類」に移行して初めての新年となるだけに、百貨店大手は大人数で楽しめる商品を充実させている。物価上昇の影響で、販売価格は前年よりも高くなった商品もあるが、各社は「ハレの日」向けの需要に期待を寄せる。 首相、感染症危機に備え途上国支援のための円借款制度創設を発表…Ｇ７国際保健関連会合で 小分け商品から一転　コロナ禍では、感染予防のために１人前ずつ小分けになった商品や、少人数向けが注目された。２０２４年向けは一転して、百貨店各社は、大人数向けに注力している。家族や友人で集まる機会が増えると見込んでいるためだ。東武鉄道の新型特急「スペーシアＸ」とコラボした東武百貨店のおせち（東京都豊島区で）　東武百貨店は、３～５人前のおせちを前年比で約１割増やした。年末年始のパーティー向けに８人前の「ギルティオードブルおせち一段」（税込み３万５１００円）や、９種類の肉を食べ比べできる「肉オードブルおせち一段」（同１万９９８０円）を販売する。 　久しぶりに集まる「ハレの日」に向け、有名ホテルや名店の高価格帯おせちも目立つ。松屋は、日本料理「なだ万」本店山茶花荘おせち三段重（同２７万５０００円）を用意した。　松屋が８月、２６～８６歳の約５００人に正月の過ごし方を調査したところ、「自宅で過ごす」「実家や親戚宅で過ごす」との回答が９割を占めた。担当者は「円安で海外旅行を控え、おせちに予算をかける消費者が多いのでは」と期待する。 1 2