DC専用投信、残高10兆円超え 拠出額の拡大など課題も

確定拠出年金(DC)向けの投資信託の運用残高が10兆円を突破した。昨年10月に個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)と企業型DCの併用がしやすくなり、資金流入が継続している。さらなる拡大が期待されるが、老後資金の受け皿とするには拠出限度額の拡大などDC制度の拡充が必要だ。投資信託協会が13日発表した投信概況によると、DC向けファンドの純資産残高は6月末時点で10兆6166億円と初めて10兆円を超えた。2022年年間の資金増加額は過去最大となる8143億円で、24年から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)とあわせて老後資金の受け皿となりつつある。さらなる拡大が期待されるDC専用投信だが、DC制度には課題もある。企業型DCの拠出限度額は最大で年間66万円と、年間で2万2500ドル(約310万円)投資できる米国の確定拠出年金(401k)に比べて少ない。401kは50歳以上の加入者に追加拠出を認めるなど、老後の資産形成を後押しする制度設計がなされている。新NISAは投資枠が拡大され老後資金までまかなえる制度になる。資産を売却すると投資枠が復活するため、養育費や住宅費として積み立てたお金を取り崩した後に老後資金を準備することもできる。フィデリティ・インスティテュートの浦田春河首席研究員は「iDeCo以上に新NISAが老後資金の受け皿になる可能性もある」と指摘する。米国ではDC経由の投信購入が全体の約3割を占め、浦田首席研究員は「401kが投信普及の立役者となった」と指摘する。新NISAの陰に隠れがちだが、DCの拡充も「貯蓄から投資」には欠かせない。

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DC専用投信、残高10兆円超え 拠出額の拡大など課題も

確定拠出年金(DC)向けの投資信託の運用残高が10兆円を突破した。昨年10月に個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)と企業型DCの併用がしやすくなり、資金流入が継続している。さらなる拡大が期待されるが、老後資金の受け皿とするには拠出限度額の拡大などDC制度の拡充が必要だ。

投資信託協会が13日発表した投信概況によると、DC向けファンドの純資産残高は6月末時点で10兆6166億円と初めて10兆円を超えた。2022年年間の資金増加額は過去最大となる8143億円で、24年から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)とあわせて老後資金の受け皿となりつつある。

さらなる拡大が期待されるDC専用投信だが、DC制度には課題もある。企業型DCの拠出限度額は最大で年間66万円と、年間で2万2500ドル(約310万円)投資できる米国の確定拠出年金(401k)に比べて少ない。401kは50歳以上の加入者に追加拠出を認めるなど、老後の資産形成を後押しする制度設計がなされている。

新NISAは投資枠が拡大され老後資金までまかなえる制度になる。資産を売却すると投資枠が復活するため、養育費や住宅費として積み立てたお金を取り崩した後に老後資金を準備することもできる。フィデリティ・インスティテュートの浦田春河首席研究員は「iDeCo以上に新NISAが老後資金の受け皿になる可能性もある」と指摘する。

米国ではDC経由の投信購入が全体の約3割を占め、浦田首席研究員は「401kが投信普及の立役者となった」と指摘する。新NISAの陰に隠れがちだが、DCの拡充も「貯蓄から投資」には欠かせない。

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