プリゴジン氏搭乗機に爆弾か ワグネル幹部一掃で反発も

ワグネル創設者のプリゴジン氏=PMC Wagner・ロイターロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が搭乗していたとみられる自家用小型ジェット機が23日に墜落したことについて、機内に設置された爆弾などの爆発による暗殺との見方が出ている。プーチン政権は幹部が一掃されたワグネルの管理を強めるが、戦闘員が反発する可能性もある。米国防総省のライダー報道官は24日の記者会見で「初期段階の分析としてプリゴジン氏は殺害された可能性が高い」と語った。墜落原因については、地対空ミサイルによる撃墜ではないとの見方を示した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国の人工衛星は小型機へのミサイル発射を検知しておらず、米当局者は機内で爆弾などが爆発した可能性があるとみている。世界の航空機を追跡している「フライトレーダー24」によると、23日にモスクワを離陸した小型機は北西に飛行中、現地時間午後6時20分ごろ急激に高度が低下し、信号を喪失した。「家族に哀悼の意を表したい」。プーチン大統領は24日、小型機墜落に初めて言及した。「(プリゴジン氏は)人生において重大な過ちを犯した」とも語り、同氏や「総司令官」と呼ばれたドミトリー・ウトキン氏らワグネル幹部の死亡を事実上認めた。プーチン氏は「(プリゴジン氏は)昨日アフリカから帰国したばかりだった」と動静を把握していたことも明らかにした。「アフリカで石油、天然ガス、希少金属・鉱物を扱った」と実績に触れた。ワグネルの主要拠点であるアフリカではマリなどで部隊が活動を続けている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、プリゴジン氏はかつらやひげでアラブの軍関係者を装い、小型機で移動することもあったという。ワグネルの幹部が不在になり、5万人以上ともいわれる戦闘員をどう統率するのかが問題となる。6月23〜24日にワグネルが起こした武装蜂起の収束後、数千人規模の戦闘員が受け入れ先のベラルーシに移動したとみられる。ロシアメディアによると、プーチン氏はワグネルの幹部らと6月29日に大統領府で面会し、ワグネル創設にも関与したロシア軍幹部を新トップに就任させることを提案した。ロシアに残った戦闘員は正規軍に編入されるもようだ。アフリカでの活動も引き継ぐとみられる。ロシア周辺国ではプーチン政権の統括によってワグネルの脅威が増す懸念が高まる。ポーランドの

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プリゴジン氏搭乗機に爆弾か ワグネル幹部一掃で反発も

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が搭乗していたとみられる自家用小型ジェット機が23日に墜落したことについて、機内に設置された爆弾などの爆発による暗殺との見方が出ている。プーチン政権は幹部が一掃されたワグネルの管理を強めるが、戦闘員が反発する可能性もある。

米国防総省のライダー報道官は24日の記者会見で「初期段階の分析としてプリゴジン氏は殺害された可能性が高い」と語った。墜落原因については、地対空ミサイルによる撃墜ではないとの見方を示した。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国の人工衛星は小型機へのミサイル発射を検知しておらず、米当局者は機内で爆弾などが爆発した可能性があるとみている。

世界の航空機を追跡している「フライトレーダー24」によると、23日にモスクワを離陸した小型機は北西に飛行中、現地時間午後6時20分ごろ急激に高度が低下し、信号を喪失した。

「家族に哀悼の意を表したい」。プーチン大統領は24日、小型機墜落に初めて言及した。「(プリゴジン氏は)人生において重大な過ちを犯した」とも語り、同氏や「総司令官」と呼ばれたドミトリー・ウトキン氏らワグネル幹部の死亡を事実上認めた。

プーチン氏は「(プリゴジン氏は)昨日アフリカから帰国したばかりだった」と動静を把握していたことも明らかにした。「アフリカで石油、天然ガス、希少金属・鉱物を扱った」と実績に触れた。

ワグネルの主要拠点であるアフリカではマリなどで部隊が活動を続けている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、プリゴジン氏はかつらやひげでアラブの軍関係者を装い、小型機で移動することもあったという。

ワグネルの幹部が不在になり、5万人以上ともいわれる戦闘員をどう統率するのかが問題となる。6月23〜24日にワグネルが起こした武装蜂起の収束後、数千人規模の戦闘員が受け入れ先のベラルーシに移動したとみられる。

ロシアメディアによると、プーチン氏はワグネルの幹部らと6月29日に大統領府で面会し、ワグネル創設にも関与したロシア軍幹部を新トップに就任させることを提案した。ロシアに残った戦闘員は正規軍に編入されるもようだ。アフリカでの活動も引き継ぐとみられる。

ロシア周辺国ではプーチン政権の統括によってワグネルの脅威が増す懸念が高まる。ポーランドのモラウィエツキ首相は24日、「ワグネルはプーチン氏の直接指揮下に入る」と警戒感を示した。

ベラルーシ軍は駐留するワグネル戦闘員との共同訓練を隣国ポーランドとの国境近くで実施した。ポーランドのブワシュチャク国防相は10日、ベラルーシとの国境におよそ1万人の軍隊を派遣する計画を明らかにした。

プリゴジン氏の死亡状況が明らかになるにつれ、同氏への忠誠心が高いワグネル戦闘員が反発を強めることも予想される。

ワグネルに近い通信アプリチャンネルは23日、「プリゴジン氏はロシアの裏切り者への行動の結果として亡くなった」と投稿した。ロシア北西部サンクトペテルブルクのワグネル本部には24日、献花に訪れる人が相次いだ。

ロシアメディアは23日、情報筋の話として、ワグネルではプリゴジン氏やウトキン氏が死亡した場合の行動計画が承認されていたと伝えた。行動計画の具体的な内容は不明だ。

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