不動産各社、子育て層に照準 三井不はマンションに学童

野村不動産ライフ&スポーツのジムの一部に保育施設を開く(イメージ)=やる気スイッチグループ提供不動産各社が子育てしやすい「育住」接近型のマンションやエリア開発を進める。野村不動産ホールディングス(HD)は保育施設の運営を始める。三井不動産はマンション内で学童保育サービスを提供する。子育て中の共働き世帯を取り込み、不動産価値の向上につなげる。野村不動産HD子会社の野村不動産ライフ&スポーツ(東京・中野)はやる気スイッチグループHDと組み、2024年4月に自社が運営するフィットネスジム「メガロス町田」(東京都町田市)内に定員114人の保育施設を開く。店舗を改修し、床面積の1割弱を保育室や子ども用のトイレなどに充てる。小田急小田原線とJR横浜線の町田駅から徒歩10分以内の場所にある。東京都心や横浜方面に通勤する共働き世帯にとって、帰宅時に子どもを迎えに行きやすい。町田駅周辺エリアには野村不の分譲マンションもある。三井不動産傘下の三井不動産レジデンシャルは明光ネットワークジャパンと組み、25年5月に竣工予定のマンション「パークシティ高田馬場」(東京・新宿)の共用スペースで居住者専用の学童サービスを提供する。平日の午後1時から午後7時に定員約20人で児童を受け入れる。マンションの建物内でサービスを展開するためセキュリティーが確保でき、親の送り迎えなしに子どもが帰宅できるメリットがある。料金も明光ネットワークジャパンが外部で提供するサービスよりも抑える。明光ネットワークジャパンにとっては相場より安い賃料で、一定の所得水準があるマンション購入世帯を囲い込める利点がある。三井不動産レジデンシャルは今後、他の新築マンションにも同様のサービスを導入することを検討する。三井不動産レジデンシャルはセキュリティーを確保したマンション内部で子どもが帰宅できるメリットを打ち出す(イメージ)=同社提供共働き層にとって子どもを送迎する負担は重い。住まい選びで、近くに育児サービスや教育関連施設があることを重視する人は多い。リクルートが22年に首都圏の新築分譲マンションを契約した人を対象に実施した調査によると、子育て世帯の49%が購入時に重視した項目として「教育環境」を挙げる。「住戸の設備・仕様」(44%)や「地縁のあるエリア」(29%)に比べて高い。不動産各社は居住マンション内や、近隣に子育て施設があ

A person who loves writing, loves novels, and loves life.Seeking objective truth, hoping for world peace, and wishing for a world without wars.
不動産各社、子育て層に照準 三井不はマンションに学童

不動産各社が子育てしやすい「育住」接近型のマンションやエリア開発を進める。野村不動産ホールディングス(HD)は保育施設の運営を始める。三井不動産はマンション内で学童保育サービスを提供する。子育て中の共働き世帯を取り込み、不動産価値の向上につなげる。

野村不動産HD子会社の野村不動産ライフ&スポーツ(東京・中野)はやる気スイッチグループHDと組み、2024年4月に自社が運営するフィットネスジム「メガロス町田」(東京都町田市)内に定員114人の保育施設を開く。店舗を改修し、床面積の1割弱を保育室や子ども用のトイレなどに充てる。

小田急小田原線とJR横浜線の町田駅から徒歩10分以内の場所にある。東京都心や横浜方面に通勤する共働き世帯にとって、帰宅時に子どもを迎えに行きやすい。町田駅周辺エリアには野村不の分譲マンションもある。

三井不動産傘下の三井不動産レジデンシャルは明光ネットワークジャパンと組み、25年5月に竣工予定のマンション「パークシティ高田馬場」(東京・新宿)の共用スペースで居住者専用の学童サービスを提供する。平日の午後1時から午後7時に定員約20人で児童を受け入れる。

マンションの建物内でサービスを展開するためセキュリティーが確保でき、親の送り迎えなしに子どもが帰宅できるメリットがある。料金も明光ネットワークジャパンが外部で提供するサービスよりも抑える。

明光ネットワークジャパンにとっては相場より安い賃料で、一定の所得水準があるマンション購入世帯を囲い込める利点がある。三井不動産レジデンシャルは今後、他の新築マンションにも同様のサービスを導入することを検討する。

共働き層にとって子どもを送迎する負担は重い。住まい選びで、近くに育児サービスや教育関連施設があることを重視する人は多い。リクルートが22年に首都圏の新築分譲マンションを契約した人を対象に実施した調査によると、子育て世帯の49%が購入時に重視した項目として「教育環境」を挙げる。「住戸の設備・仕様」(44%)や「地縁のあるエリア」(29%)に比べて高い。

不動産各社は居住マンション内や、近隣に子育て施設があれば、共働き世帯を呼び込め、不動産価値向上につながると関連サービスの導入に力を入れる。大和ハウス工業もJR千葉駅(千葉市)近くで25年に竣工予定の分譲マンションで、共用スペースにキッズルームを設ける予定だ。

ヒューリックも東京都と横浜市で学習塾や体操教室など複数の子ども向け施設を収容するビルを25年に開く予定だ。子育てに出費を惜しまない層を取り込もうとする不動産会社の動きは今後も広がりそうだ。

(橋本剛志)

What's Your Reaction?

like

dislike

love

funny

angry

sad

wow