外為8時30分 円、小幅安 147円台後半 介入警戒感は支え

20日早朝の東京外国為替市場で円相場は小幅に下落した。8時30分時点は1ドル=147円72～74銭と、前日17時時点に比べ8銭の円安・ドル高だった。前日に米長期金利が上昇し、日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢だった。だが、日本政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感から下値を探る動きは限られている。米連邦準備理事会（FRB）は20日まで開く米連邦公開市場委員会（FOMC）で利上げを見送るとの見方が濃厚で、市場の関心はあわせて公表される参加者らの政策金利見通し（ドットチャート）やパウエル議長の記者会見に集まっている。ニューヨーク原油先物相場が10カ月ぶりの高値をつけるなどインフレ懸念がくすぶるなか、FRBは金融引き締めを長引かせる姿勢を示すとの観測が根強く、19日に米長期金利が上昇し円売り・ドル買いにつながった。8時半前に円は147円70銭近辺まで下げ渋る場面もあった。神田真人財務官は20日朝、円相場について「海外の当局、とりわけ米当局とは日ごろから極めて緊密に意思疎通を図っており、過度な変動が好ましくないとの認識を共有している」と説明。そのうえで「行き過ぎた変動に対しては適切な対応を、あらゆる手段を排除せずにとる」と述べた。日本時間20日早朝には、米ブルームバーグ通信がイエレン米財務長官は日本の為替介入についてボラティリティー（変動率）を滑らかにする目的なら理解できるとの認識を示したと報じた。市場では「円安が加速した際には、円買いの為替介入が（米国側に）容認される」（大和証券の城山健吾氏）と受け止められ、円相場を下支えしている。財務省が20日発表した8月の貿易統計（速報、通関ベース）によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9305億円の赤字だった。赤字幅はQUICKがまとめた市場予想（6431億円）を超えたものの、今のところ円相場の反応は限られている。円は対ユーロでは上昇した。8時30分時点は1ユーロ=157円78～80銭と、前日17時時点に比べ10銭の円高・ユーロ安だった。ユーロは対ドルで下落し、8時30分時点は1ユーロ=1.0681～82ドルと前日17時時点に比べて0.0012ドルのユーロ安・ドル高だった。〔日経QUICKニュース（NQN）〕