広島の強殺未遂、フィリピンから送還の指示役3人再逮捕

渡辺容疑者らが収容されていたとみられるフィリピン・マニラの入管施設（1月）各地で相次いだ広域強盗事件で警視庁は3日、2022年12月に広島市西区の店舗兼住宅で発生した事件に関与したとして、フィリピンから強制送還された特殊詐欺グループの幹部、渡辺優樹容疑者（39）ら3人を強盗殺人未遂と住居侵入容疑で再逮捕した。ほかに再逮捕したのは今村磨人（39）、藤田聖也（39）の両容疑者。警視庁は3人が当時収容されていたフィリピンの入管施設から匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」を使い、「キム」や「ルフィ」などと名乗って日本国内の実行役らに指示を出すなどしていたとみている。再逮捕容疑は22年12月21日夜、実行役らと共謀し、広島市の貴金属買い取り店兼住宅に押し入り、現金約250万円と高級腕時計など130点以上を奪ったうえ、住人の高齢夫婦とその息子に暴行を加えて殺害しようとした疑い。住人3人のうち息子は後頭部をモンキーレンチで殴打され、現在も重体という。警視庁は容疑者3人の認否を明らかにしていない。広島市の事件ではこれまでに実行役ら9人が逮捕された。実行役の一部は東京都狛江市の住宅で23年1月に住人女性（当時90）が死亡した事件と重なっている。渡辺容疑者ら3人はいずれも特殊詐欺グループの幹部とされる。ほか1人とともに23年2月にフィリピンから強制送還された。警視庁は9月、狛江市の事件で「キム」や「ミツハシ」などと名乗って指示を送っていたとして強盗殺人容疑などで再逮捕した。