東京製鉄の税引き益が上振れ、原料価格下落 24年3月期

東京製鉄は21日、2024年3月期の単独税引き利益が前期比22%減の240億円になる見通しだと発表した。従来予想を30億円上回る。中国など海外の鋼材需要低迷で、原料価格が想定より下がり、鋼材の利ざやが拡大する。大型の建築案件向けの鋼材販売も伸びる。売上高は7%増の3850億円と従来予想を変えなかった。営業利益予想は8%減の350億円で、50億円上方修正した。主原料の鉄スクラップの4〜6月期の購入単価が1トン5万1900円と前年同期比1万1100円下落した一方、鋼材出荷単価は同11万3400円とほぼ横ばい。この価格差である「メタルスプレッド」が拡大し、利益を押し上げた。販売面では、中小の建築向け需要が弱含む一方、大型案件向け需要は堅調という。4〜6月期では鋼材販売量が88万9000トンと13%増えた。電炉は高炉と比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少なく脱炭素化を見越した鋼材需要も旺盛だ。今回の上方修正は、足元の上振れ分を反映したものだ。今期下期について、同日会見した津田聡一朗総務部長は「(家電製品などに使う鋼材の)板類は中国の景況を踏まえ、販売価格を維持できるか若干の懸念はある」と話した。同日発表した23年4〜6月期単独決算は、売上高が前年同期比13%増の1027億円、税引き利益が30%増の88億円だった。

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東京製鉄の税引き益が上振れ、原料価格下落 24年3月期

東京製鉄は21日、2024年3月期の単独税引き利益が前期比22%減の240億円になる見通しだと発表した。従来予想を30億円上回る。中国など海外の鋼材需要低迷で、原料価格が想定より下がり、鋼材の利ざやが拡大する。大型の建築案件向けの鋼材販売も伸びる。売上高は7%増の3850億円と従来予想を変えなかった。

営業利益予想は8%減の350億円で、50億円上方修正した。主原料の鉄スクラップの4〜6月期の購入単価が1トン5万1900円と前年同期比1万1100円下落した一方、鋼材出荷単価は同11万3400円とほぼ横ばい。この価格差である「メタルスプレッド」が拡大し、利益を押し上げた。

販売面では、中小の建築向け需要が弱含む一方、大型案件向け需要は堅調という。4〜6月期では鋼材販売量が88万9000トンと13%増えた。電炉は高炉と比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少なく脱炭素化を見越した鋼材需要も旺盛だ。

今回の上方修正は、足元の上振れ分を反映したものだ。今期下期について、同日会見した津田聡一朗総務部長は「(家電製品などに使う鋼材の)板類は中国の景況を踏まえ、販売価格を維持できるか若干の懸念はある」と話した。

同日発表した23年4〜6月期単独決算は、売上高が前年同期比13%増の1027億円、税引き利益が30%増の88億円だった。

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