[社会] 「ルフィ」のテレグラムの一部復元に成功、広島での強盗殺人未遂で渡辺優樹被告ら３人再逮捕へ

　指示役「ルフィ」らによる強盗事件で、警視庁が押収したスマートフォンの解析を行った際、通信アプリ「テレグラム」のメッセージの一部復元に成功していたことが捜査関係者への取材でわかった。この結果、フィリピンから強制送還された男らが複数の事件で指示を出していた疑いが強まり、警視庁は３日にも、このうち広島市で起きた事件の強盗殺人未遂容疑などで男３人を再逮捕する。 銀座のロレックス強盗、１８歳男を新たに逮捕…通信アプリ「シグナル」で実行役に指示か 渡辺優樹被告　再逮捕されるのは、渡辺優樹（３９）、藤田聖也（３９）、今村磨人（３９）の３被告（強盗予備罪などで起訴）。いずれもフィリピンを拠点とした特殊詐欺グループの幹部で、東京都狛江市の住宅で今年１月に高齢女性が死亡した事件に関与した強盗殺人容疑などで９月１２日に再逮捕されていた。 　捜査関係者によると、３人はフィリピンの入管施設に収容されていた昨年１２月２１日夜、実行役らと共謀し、広島市西区の時計販売買い取り専門店に侵入。経営者の５０歳代男性の頭を工具で殴り、現金約２５０万円と高級腕時計など約１４０点（計２４３９万円相当）を奪った疑い。男性は現在も意識不明の重体という。　警視庁はフィリピン当局から、渡辺被告らが収容先で使っていたとされるスマホやタブレット端末計１５台の引き渡しを受け、最新のデジタル技術で解析を進めた。テレグラムはメッセージを自動消去できる秘匿性の高いアプリだが、複数の端末でメッセージを一部復元することに成功した。　メッセージには、広島や狛江の事件など複数の強盗事件で実行役とやり取りした形跡が残されていたという。警視庁は渡辺被告らと事件との関連を裏付ける重要な証拠とみている。