[竜王戦] 【秘蔵動画】竜王戦挑戦者の伊藤匠七段、初めての着付け練習「それなりに」…文豪の雰囲気まとい藤井聡太竜王との大勝負へ

 間もなく開幕する竜王戦七番勝負で藤井聡太竜王に挑む伊藤匠七段。今回が初のタイトル戦出場ということで、和服で対局する大舞台に備え、着付けの練習を行った。9月中旬に白瀧呉服店で行われた「特訓」をカメラが捉えた。棋士が着付けを行う秘蔵映像を初公開する。(デジタル編集部 吉田祐也) 【動画】第36期竜王戦七番勝負CM、藤井聡太竜王と伊藤匠七段が威風堂々の競演 着付け練習に励む伊藤七段=若杉和希撮影 伊藤七段は竜王戦七番勝負に向け、3着ほど和服を仕立てたという。仕上がるのは開幕直前ということで、着付けの練習は、本番とは別の着物で行った。まず、白瀧佐太郎さんが伊藤七段に和服を着せていく。見ながら順番を覚えていく伊藤七段。着た和服を脱ぎ、着付けの練習が始まった。帯の位置を確認する伊藤七段=若杉和希撮影  袴をはき、腰のあたりで細い帯を結ぶパート。ここは、見えない場所なので感覚が頼りになる。手際よく結んだ伊藤七段だが、帯の長さがうまくいかない様子だった。すかさず、白瀧さんがアドバイスを送る。耳を傾け、実践する伊藤七段。結び方を素早く習熟した。帯の長さを調整し、前で形を整えるところを、何度も練習していた。どんどん、手の動きが速くなっていった。鏡で確認しながら黙々と手を動かす伊藤七段=若杉和希撮影 羽織もさっと着て、鏡で確認。そして、また脱ぐ。伊藤七段は最初から最後までの「通し」を繰り返した。見守る白瀧さんは「上達が早いですし、結び方にアドリブがあって、伊藤さんは対応力があります」と声をかけた。照れながらも、黙々と着付けの練習に励む。あっという間に2時間が経過した。和服で指すシミュレーションも行った伊藤七段=若杉和希撮影 伊藤七段が自分で一通り着られるようになったことを確認した白瀧さんは、白瀧呉服店特製の盤駒を用意した。対局を想定し、実際に伊藤七段は和服を着たまま駒を動かした。盤の奥の方に手を伸ばす。「意外と、袖は気にならないですね」とささやいた。立ったり座ったりのシミュレーションも行い、お手洗いの作法も確認していた。初めてづくしの戦いへ、準備に抜かりはない。着付け練習を終え、「それなりにできた」と感想を語った伊藤七段=若杉和希撮影 着付けの練習を終えた伊藤七段。「手順が難しそうで不安もありましたが、初練習は、まずまずだったかと。竜王戦という

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[竜王戦] 【秘蔵動画】竜王戦挑戦者の伊藤匠七段、初めての着付け練習「それなりに」…文豪の雰囲気まとい藤井聡太竜王との大勝負へ

 間もなく開幕する竜王戦七番勝負で藤井聡太竜王に挑む伊藤匠七段。今回が初のタイトル戦出場ということで、和服で対局する大舞台に備え、着付けの練習を行った。9月中旬に白瀧呉服店で行われた「特訓」をカメラが捉えた。棋士が着付けを行う秘蔵映像を初公開する。(デジタル編集部 吉田祐也)

【動画】第36期竜王戦七番勝負CM、藤井聡太竜王と伊藤匠七段が威風堂々の競演
着付け練習に励む伊藤七段=若杉和希撮影

 伊藤七段は竜王戦七番勝負に向け、3着ほど和服を仕立てたという。仕上がるのは開幕直前ということで、着付けの練習は、本番とは別の着物で行った。まず、白瀧佐太郎さんが伊藤七段に和服を着せていく。見ながら順番を覚えていく伊藤七段。着た和服を脱ぎ、着付けの練習が始まった。

帯の位置を確認する伊藤七段=若杉和希撮影

  袴をはき、腰のあたりで細い帯を結ぶパート。ここは、見えない場所なので感覚が頼りになる。手際よく結んだ伊藤七段だが、帯の長さがうまくいかない様子だった。すかさず、白瀧さんがアドバイスを送る。耳を傾け、実践する伊藤七段。結び方を素早く習熟した。帯の長さを調整し、前で形を整えるところを、何度も練習していた。どんどん、手の動きが速くなっていった。

鏡で確認しながら黙々と手を動かす伊藤七段=若杉和希撮影

 羽織もさっと着て、鏡で確認。そして、また脱ぐ。伊藤七段は最初から最後までの「通し」を繰り返した。見守る白瀧さんは「上達が早いですし、結び方にアドリブがあって、伊藤さんは対応力があります」と声をかけた。照れながらも、黙々と着付けの練習に励む。あっという間に2時間が経過した。

和服で指すシミュレーションも行った伊藤七段=若杉和希撮影

 伊藤七段が自分で一通り着られるようになったことを確認した白瀧さんは、白瀧呉服店特製の盤駒を用意した。対局を想定し、実際に伊藤七段は和服を着たまま駒を動かした。盤の奥の方に手を伸ばす。「意外と、袖は気にならないですね」とささやいた。立ったり座ったりのシミュレーションも行い、お手洗いの作法も確認していた。初めてづくしの戦いへ、準備に抜かりはない。

着付け練習を終え、「それなりにできた」と感想を語った伊藤七段=若杉和希撮影

 着付けの練習を終えた伊藤七段。「手順が難しそうで不安もありましたが、初練習は、まずまずだったかと。竜王戦という舞台で、和服を着て指せることは光栄です」と静かに語った。どこか自信をうかがわせる表情だった。目の前にいるのは棋士なのに、若き「文豪」がそこにいる。ふと、そう感じた。

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