[竜王戦中継ブログ] 藤井聡太竜王への挑戦へあと１勝、軍曹の負けない将棋を拝借した伊藤六段の会心譜＜挑戦者決定三番勝負第１局・永瀬拓矢王座－伊藤匠六段＞

先勝し、対局を振り返る伊藤六段＝若杉和希撮影【永瀬王座－伊藤六段】の動く棋譜中継はこちら 　将棋会館での竜王戦挑戦者決定三番勝負第１局・永瀬拓矢王座－伊藤匠六段戦は伊藤六段が１０９手で先勝しました。藤井聡太竜王への挑戦権が懸かる第２局は８月１４日に行われます。 軍曹の勝負手△９五香、５分で応じた匠は見切ったか＜挑戦者決定三番勝負第１局・永瀬拓矢王座－伊藤匠六段＞ 　振り駒で後手になった永瀬王座が意表の一手損角換わりを採用した本局。先手の伊藤六段は腰掛け銀模様に進め、いわゆる定跡形に合流しました。 中盤を検討する両対局者＝若杉和希撮影　午後は両者が長考合戦を繰り広げました。押し引きのある中盤を経て伊藤六段は▲６三角と打ち込み、攻め合いになだれ込みました。夕食休憩明け、首をかしげていた永瀬王座。検討する石井健太郎六段は「▲７三竜は手堅い一手。伊藤六段が形勢有利で終盤を戦っています」と判断していました。　夜戦で自陣に金を打つなど「軍曹」の負けない将棋を拝借した伊藤六段が徐々にリードを広げた会心譜と言える白星。局後、伊藤六段は「終盤は自陣に手が戻ってさえないと思いましたが、仕方ないと割り切りました。第２局まで日があきますが、しっかり準備して迎えたいです」と話し、永瀬王座は「序盤は想定通りでしたが、▲６三角と打たれた所での形勢判断がまずかったと思います」と語りました。（吉田祐也）【永瀬王座－伊藤六段】の動く棋譜中継はこちら前の記事記事一覧へ◆読売新聞オンライン将棋担当が語る将棋界ここだけの話