賃上げ平均3.58%、春季交渉の連合集計 29年ぶり3%超

賃上げ額は平均で1万円を超えた連合は5日、2023年春季労使交渉の最終集計結果を公表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均で3.58%と、前年比で1.51ポイント上昇した。3%を超えたのは29年ぶりで、1993年の3.90%以来の高水準となった。5272組合の回答状況を集計した。物価高が賃上げを後押しした面が強く、持続的な所得の増加につながるかがこれからの焦点となる。全体の賃上げ率は2000年以降、1.6〜2.2%の間で推移してきた。賃上げ額は平均で1万560円と前年比で4556円増えた。ベアと定昇を明確に区別できる3186組合で見ると、ベアの引き上げ率は2.12%だった。前年比で1.49ポイント上がり、集計を始めた15年以降で最も高かった。組合員数が300人未満の中小組合では、賃上げ率が平均で3.23%と前年比で1.27ポイント上昇した。3%を超えたのはこちらも29年ぶりで、賃上げ額は平均8021円と3178円増加した。足元で物価高は続く。厚生労働省によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は4月時点で前年から3.2%減少した。賃金を上げても、生活費の高止まりに追いついていない。資源高などでコストが高まる企業側にとっては人件費の上昇も大きな負担となる。賃上げが一時的な物価高対応にとどまる懸念がある。政府は22年度の補正予算で、賃上げを条件とした設備投資や事業承継への補助金の上限額を引き上げるといった支援を拡充した。とくに賃上げ負担の大きい中小企業向けを手厚くしている。パート社員の正社員化や職業訓練への助成も進めている。人手不足が厳しさを増すなか、賃上げした後も企業が人材投資を続けやすい環境づくりが欠かせない。【関連記事】・家計金融資産2043兆円で最高なのに… なぜ資金不足?・最低賃金4%上げ視野、全国平均1000円の機運 議論開始・夏ボーナス3.91%増、2年連続プラスも濃淡 経団連集計

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賃上げ平均3.58%、春季交渉の連合集計 29年ぶり3%超

連合は5日、2023年春季労使交渉の最終集計結果を公表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均で3.58%と、前年比で1.51ポイント上昇した。3%を超えたのは29年ぶりで、1993年の3.90%以来の高水準となった。

5272組合の回答状況を集計した。物価高が賃上げを後押しした面が強く、持続的な所得の増加につながるかがこれからの焦点となる。

全体の賃上げ率は2000年以降、1.6〜2.2%の間で推移してきた。

賃上げ額は平均で1万560円と前年比で4556円増えた。ベアと定昇を明確に区別できる3186組合で見ると、ベアの引き上げ率は2.12%だった。前年比で1.49ポイント上がり、集計を始めた15年以降で最も高かった。

組合員数が300人未満の中小組合では、賃上げ率が平均で3.23%と前年比で1.27ポイント上昇した。3%を超えたのはこちらも29年ぶりで、賃上げ額は平均8021円と3178円増加した。

足元で物価高は続く。厚生労働省によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は4月時点で前年から3.2%減少した。賃金を上げても、生活費の高止まりに追いついていない。資源高などでコストが高まる企業側にとっては人件費の上昇も大きな負担となる。賃上げが一時的な物価高対応にとどまる懸念がある。

政府は22年度の補正予算で、賃上げを条件とした設備投資や事業承継への補助金の上限額を引き上げるといった支援を拡充した。とくに賃上げ負担の大きい中小企業向けを手厚くしている。パート社員の正社員化や職業訓練への助成も進めている。

人手不足が厳しさを増すなか、賃上げした後も企業が人材投資を続けやすい環境づくりが欠かせない。

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